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映画すみっコぐらし第二弾「青い月夜のまほうのコ」レビュー

すみっコぐらし大好きおっさん、平八です。
 
今夜は満を持して登場、映画すみっコぐらし第二弾「青い月夜のまほうのコ」のレビューです。
 
 

あなたの夢はなんですか?

 
 
私はもう4年ほどすみっコぐらしのファンやってますが、一見おっとりと悩み事のなさそうな彼らも各々心に背負うものがあり、時に葛藤しつつ仲間達と日々を過ごすという世界観が気に入っています。
 
今回は彼らが抱えたものを深掘りしつつ、何でも魔法で叶えることができる魔法の国からやって来た未熟な魔法使いとの交流を描くストーリーです。
 
大概のことは魔法でなんとかなってしまう世界にいたため、今は叶わない夢を抱えて生きることが理解出来ない幼な子というのは良いキャラクターだと思いましたね。
 
五男だからふぁいぶ、というのは安直過ぎんだろとツッコミましたが。
 
そして今回のキーパーソンは、現世に置き去りになって兄弟達とはぐれてしまったふぁいぶを優しく迎えいれるとかげです。
 
彼もまた事情あって母と一緒に暮らせないため家族と別れるつらさをあのメンバーの中では一番理解していると言えましょう。
 
前作「とびだす絵本とひみつのコ」もそうでしたが、困難を抱えたゲストキャラを同じ悩みを持つすみっコが傍で支えるという構図が彼らの心根の温かさを余すところなく表現しており、映画を観終わった後にも彼らのぬくもりが尾を引きます。
 
基本的に私の推しキャラはとんかつですが、母親と離れ離れになり、公表したら捕まってしまうかも知れないという理由から親しい仲間にも出自を明かせないとかげの苦悩や時折訪れる母との時間に涙腺を刺激されます。
 
夢の中でおかあさんとの一緒に飛ぶテーマとか良かったと思う反面切ないよね。
 
すみっ湖ってもっと近くなのかと思ったら電車の終点まで乗らないと逢いに行けないみたいだし。
 
おかあさんも心得てるというか、人目があるところでは母子の名乗りをあげないんですよね。
 
全部分かってて他人を装うおかあさんの優しさには頭が下がります。
 
そうしたバックボーンも踏まえて今回はとかげファンにも満足のいく仕上がりになっていると思えましたので、視聴を検討しておられるとかげ推しの皆様におかれましては劇場に足を運ばれることをお勧めします。
 
ところで今回の映画で気づいたのですが、おかあさんをよくよく見ると体の八割くらいは水面よりも上にあるのであの体の大きさの割に体重は非常に軽いのでは、という予測が立ちます。
 
あるいはすみっ湖は海と通じていて、塩濃度が非常に高いか。
 
こうしたどうでもいいことに想いを馳せることができるのもすみっコぐらしの懐の深さであると勝手に納得しています。
 
今回であの世界にはメインの五人以外にも大勢のすみっコが暮らしていて、マーケットで同じように買い物をしている様が描写されたので世界が広がる予感がありますしね。
 
まあモブすみっコは全員シルエットで表現されていたので誰が誰だか分かりませんでしたが。
 
あのモブの中に例えばねこのきょうだい、とか紛れ込ませても良かったんじゃないかと私は思いますけど、そこは作劇にあたっての取捨選択だったのでしょうか。
 
あと、今後の話をすると少々気が早いと思いつつも前作でぺんぎん?、今作でとかげをフィーチャリングした内容なので、今後もメンバーをピックアップしていく構成になるとすれば私の推しのとんかつは誰かに食べられたがっているゲストキャラの願いを叶えるストーリーになるのでしょうか。
 
 
イヤだよそんなグロい話。
 
 
今回夢の話なんで案の定誰かに食べられることが夢、って語ってましたけど、この子自分が食べられるところも明確にイメージしててメチャ怖かったよ。
 
前の映画のリアクションはちょっと気持ち悪い、で済んだけど、お前の体を箸でつまめるような巨人がこの世界のどこかにいると思うと怖すぎるよ。
 
少し取り乱してしまいましたが、来る2022年に10周年を迎えるすみっコぐらし。
 
今後もすみっコワールドが広がっていくことを願いつつ、いつか最終章が訪れた時は世界の秘密を解き明かしてくれないかなあと密かに思っています。
 
来年久しぶりにすみ神様出て来るかな。
 
 

前作より分かりやすさアップ

 
 
前作がいつもと違う異世界を舞台に繰り広げる冒険譚という趣きだったのに対し、今作はいつもの日常に紛れ込む異変と向き合う構図になっており、喩えて言うならジョジョの奇妙な冒険の第三部と第四部ぐらいの違いがあります。
 
前作がそれぞれの冒険にカメラを切り替えていくため途中場面転換が忙しなく感じるところもありましたが、今作はそうした点がスッキリとしていました。
 
これはすみっコぐらしファン層の分厚いところに向けて為された配慮ではないか、と勝手に思っています。
 
私が観に行った回は箱がほぼ満員で、小学生になるかならないかのお子さんとその親御さんが非常に多く、幼児の皆様にも楽しんでもらえるように構成をシンプルにしたのではないかという予想です。
 
まあ実際マーケティングとかやったわけではないので仮説というか妄想ですが。
 
ストーリーも青い月夜に訪れた異邦人が起こしたトラブルを主人公が解決するという簡素でそれゆえ力強いもので、とても分かりやすかったです。
 
映画が始まる前はテンション上がって騒いでいた彼らも映画が始まるとピタッと静かになり、時折笑い声が起こる以外はとても水を打ったようでした。
 
コンテンツの持つ力強さのせいか、世の親御さんの躾の成果かその両方でしょうか。
 
映像的にも抜かりはなく、序盤の魔法の幻想的なシーンは心躍りました。
 
見ての通りシンプルなキャラデザではあるんですけど、彼らをスムーズに動かすためにすごく気を配っていると感じましたね。
 
 

幼児向け作品の劇場CMもっと減らさない?

 
 
※この項は作品に関する意見ではありませんので飛ばして頂いて結構です。
 
 
いやまあ見出しで言いたいこと全部なんですけど、周りのお子さんが始まる前に完全に飽きてたんですよ。
 
コマーシャル長すぎて。
 
我々みたいな年食った映画ファンなら「あーまあコマーシャル収入がないと映画館も大変でしょうしね。ようがす、拝見させて頂きましょう」と理解を示すこともできます。
 
でも子供はそんなの関係ねーでしょう。
 
せっかくすみっコぐらしの映画が観られる!と気負ってやって来て、劇場シートのふかふか具合に興奮しながらいい子にして待ってるのにいつまで経っても始まらないんだもの。
 
「これならねとふりでいいかな…」とかヒネた感想持たれても困るでしょう。
 
近くにいたお子さんなんて「このCMさっきもしたよね?」ってちゃんと観てましたからね。
 
大体映画館でのマナー、から本編に入るまで長すぎんだよ最近。
 
直前に一回でいいじゃん何で二回目があるんだよ。
 
少々興奮してしまい大変申し訳ありませんでしたが、とにかく私が言いたいことは子供向けの映画なら劇場予告は長くても2、3本にしてサッと本編に入ってもらえないだろうかということですね。
 
これからの子供達には映画館のいい思い出を持って帰って頂きたいじゃないですか。
 
「上映時間から五分後くらいに入るとスムーズに本編が観られる」とかそういうライフハックが流行ったらイヤですよ。
 
 

可愛い彼らが観られて満足

 
 
物語の最初に彼らがどういうキャラクターなのかを説明してくれるので「かわいいと思うけどこの子達がどういうキャラか分からないし…」という初見の方にも親切な作りになっている安心な一品です。
 
夢をなくしたすみっコ達を立ち直らせるシーンがやや駆け足だったように思いましたが、異界の友人とともに日々を過ごす彼らの姿は肌寒くなって来た季節に温かな何かを持って帰らせてくれることでしょう。
 
あと、先着順特典ですが小冊子も持って帰らせてくれました。
 
 
いい感じのパンフレットも買いましたよ
 
詳細なネタバレは申しませんが、本編の補完的な内容です。
 
先着順ですので欲しい方は早めに劇場に行きましょう。
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