おっさんの疲れた心を癒す漫画、それがプリンセス・メゾン




漫画に垣根はない。漫画大好きおじさん平八です。

 

今回の記事は人生に疲れたおっさんを癒し「ちゃんとせないかん」と思わしめた漫画をご紹介します。

 

※2018年3月28日、第5巻のレビューを追記しました。

 

 

プリンセス・メゾンとは

 

マンション購入に真剣に取り組む独身女性を中心とした群像劇。作者は池辺 葵先生。

 

web漫画として連載中で、最新話以外にも過去の話が数話公式サイトから読めます。

 

やわらかプリンセス

 

おそらくですが作者、編集部の想定するアバターも成人し独立した女性だと思います。

あちらさんもまさかアラフォーのおっさんという外道が網にかかるとは予想してなかったのではないでしょうか。

正味の話、おっさんゆえにこの物語を芯から理解していないという自覚はあります。

作中の描写でもいくつか「どういうこと?」って点がありますし。

それでもこの物語が私を魅了した点を語りたいと思います。

 

物語の心地よさ

 

私が理解するこの作品の根本にあるのは「幸せになるのに自分の心ひとつ以外にいらない」ということです。

 

劇中のメインキャラのセリフになぞらえましたが言ってしまえば実に当り前のことのように聞こえます。

 

しかし現実にあくせくと働き日々を過ごしているうちに知らず他人と自分を比べたり目まぐるしい世間に気を奪われたりして忘れがちなことではないでしょうか。

 

その当り前に改めて気づかせ「そうだ、自分の幸せは自分で決めよう」と思わせてくれたのがこの漫画です。

 

話の構成としてはオムニバス形式で様々な立場の一国一城の主すなわちプリンセスメゾンが登場します。

 

その中でこれからマンションを買おうとするメインヒロインである沼越 幸は毎日の仕事を一生懸命にこなしつつも自分の幸せを見失わない強い女性として描かれています。

 

そのひたむきさに周りの人々も次第に惹かれていく流れが非常に気持ちよく、読者である私も感情移入の度合いを強めていきます。

 

感情移入しすぎたせいか、12話でガチ泣きしました。

こう、目の奥からじわあっと

 

いい年した男が夜遅い電車の中でタブレット見ながら目に涙をためているというのは控え目に言って異常事態です。

 

しかし12話だけは本当にいけません。

 

それまでの話の中で主人公に好感を持ったという方はくれぐれもご注意下さい。

 

キャラの魅力

 

前述のメインヒロインである沼越 幸(以後沼ちゃん)がとても可愛い。

 

私が駄文であれこれ語るよりも公式サイトで何話か無料で読めるのでそこから感じ取って頂ければ幸いですが自分の住処を真剣に探すひたむきさに思わず応援したくなる。

 

そんなキャラクターです。

 

ただくどいですけどメイン読者層ではないので「3つ口コンロってそんなにいいんだ?」と思ってしまうようにあまり理解できないポイントもありました。

 

でも沼ちゃんが一喜一憂しているのを見るとよく分からないけどきっといいんだなと納得します。

 

そして彼女の家探しを支えるデキる営業マンの伊達さん。

 

モデルルームの受付で働く要さん。

 

受付の後輩で奔放な阿久津さんも売り手と客という線引きを意識しつつも時にはその垣根を越えて沼ちゃんに関わっていく姿が物語に彩を添えます。

 

基本的に悪人はいないというか優しい人達ばかりなのでそういうところも非常に読みやすい点かと思います。

 

個人的には一見クールな要さんが沼ちゃんのことを陰ながら気にかけてるところが良いと思うのですよ。

 

あと音楽を聴くと異様なテンションになるところとか。

 

好きなアーティストのライブを大画面で見たいという理由でプロジェクターを購入する剛の者でもあります。

 

プリンセスメゾン画像1

彼女に何が起こったのか

 

他にもCDショップで「今日は一枚だけ、一枚だけ…」という葛藤がものすごくあるあるで非常に好感持てますね。

 

「今日は一冊だけ、一冊だけ…」て。

 

チョイ役ですが、こちらの記事で「温泉にいた親切なおばさん」について触れています。

 

 

 

 

題材を重くしすぎない軽妙な作風

 

登場人物も様々なことに悩みます。

 

自分が歩く道は正しいのか。

 

身の丈に合わないものを欲しがってしまったのではないか。

 

老後のこと、家族のこと。

 

女性的な悩みも多いのですが、他人事ではないものも含まれているので悩みに共感しページをめくることになります。

 

それらを踏まえた上で、そう簡単には霧は晴れないけど生きてりゃ何とかなるさというカラッとした作風が実に心地良いです。

 

割と好きなシーンとしてあるヒロインの姉が大病を克服した後に、自分の人生について悩むヒロインに「どうせ死んでいく身やし、好きに生きたらええのよ」と語りかけるシーンがあります。

 

自分も何度か「あ、これはお迎え来たかな」と思う瞬間があったので妙に実感があります。

 

瀬戸際の時ってやりたかったこととかまだ成し遂げてないって想いが駆け巡るんですよね。

 

それを乗り越えると妙に悟るというか、色んなことを気にしてるうちに人生終わるくらいなら好きなことやりたいというその時の気持ちがお姉さんの言葉に表れていると解釈してます。

 

まあでもやっぱり沼ちゃんだな

 

不安になったり浮き足立ったりドヤッたり見ていて飽きません。

 

プリンセスメゾン画像2

とりあえず好きな表情を想うさま描いてみた

 

「こんな小さい女の子がローン抱えて踏ん張ってるんや、ちゃんとせな」とあたかも沼ちゃんが存在するかのようなヤバい思想にも一瞬染まりましたが、それくらい没入感がありました。いい年して。

 

 

沼ちゃんの物語としては3巻で大きな山場を乗り越えます。

 

勝手な意見を申し上げると「ここで終わっても良かったのではないか」と思うくらい3巻のラストは会心の出来でした。

 

まあ読みたくないという意味ではなく(むしろまだ読みたい)出版社の都合もあるので私がとやかく言うことではありませんが。

 

漫画に垣根はない。おっさんでも女性用漫画を読んでもいいじゃないか。

 

それが明日への活力になるのであれば。

 

 

2019年1月現在やわらかスピリッツで、最終回含む一部の話数は読めます。

 

 

 

 

 
 

第5巻レビュー(2018年3月12日刊行)

 

少し遅れましたが5巻購入しましたので、感想をば。

 

細々とした感想は次項に譲りますが、やっぱこの空気感好きだわ。

 

それぞれの未来へ

 

心地いい今を離れ、お互いの道を歩いていく前触れ。

 

5巻はそういった印象を受けました。

 

人生の岐路で友人が離れていくのはよくあることと言ってしまえばそれまでですが、寂しさを感じずにはおれませんでしたね。

 

特に36話「それぞれの道」では意識の違いから、要さんが少し突き放したような雰囲気が漂う一幕もありましたので一層不安がかき立てられます。

 

(最後のページでそれぞれの視線が交わらないのは別れの暗示のように思えて)

 

ただ、その後のお見合い話で要さんが沼ちゃんを好きすぎる描写があってほっと一安心します。

 

要さんの可愛さ

 

譲らないところがほんと好き。

 

「ライブにご一緒してもいいですか?」「ご一緒はダメです」

 

かなり肉を削いだ言い方なので、本当のやり取りはどうだったのか気になります。

 

本当にこのまんまだったらどうしよう。

 

そこが私の本質、と言い切ってましたね。

 

読者的には要さんがライブにどれほど金も体も削ってるか知ってるから「そこは聖域なんだな」と再認識できますが、それまでのいきさつを知らなかったら「何じゃこの女」と思われてしまいそうでヒヤヒヤします。

 

5巻ではメンバーの中でも一番大きな出来事があって話的にもクローズアップされていたせいか色んな表情が見れたのが面白かったです。

 

割と好きなのが「3コマ使って高岡さんの言葉を噛みしめる」ところですね。

 

あー本当に嬉しそう、とこちらもしみじみします。

 

再登場するプリンセス達

 

「あれっ」て思いました。

 

てっきり読み切り形式で、沼ちゃん達以外の女性が再登板するとは意識してなかったので、恩納さん北海道編があるとは。

 

「追伸」と書かれていたのがそのことなのかとは思いましたが、もしかして読者受けが良かったのか。

 

あるいは今までも結構キャラが再登場してたけど私が気付かなかっただけか。

 

どうも後者のような気がするので、再読してチェックします。

 

巻末おまけ漫画にも前巻のヒロインの一人である花音さんが出てるので、メインになったりサブになったりしながら登場してるのかも知れない。

 

おまけ漫画も見逃すな

 

基本やわらかスピリッツ上で毎月無料で読める本作ですが、ありがたいことに「Another day」と題して単行本用に書き下ろし4ページがついてくるので得した気分になります。

 

「いつかの要さん」ではおそらくライブ前の風景が描かれ、アーティストに小声でエールを送る要さんの奥ゆかしさが胸にしみます。

 

ライブになったら飛び跳ねたりしてるんだろうなと思いますけどね。

 
 

第6巻レビュー(2019年1月11日刊行)

 

 

本作もいよいよ最終巻。

 

万感の想いを込めたラストが胸に迫ります。

 

 

明日へ自由に飛んで行け

 

本編で繰り返し語られていたことではありますが、この物語を締めくくる際にも語り部の恩納さんと釧路の空を飛ぶ鷲で「自由に生きること」を表現されていました。

 

世の中思い通りにならないし、辛いこともあるけど好きに生きてみようよ。

 

結局そうすることが、振り返った時に後悔の少ない人生になるのではないでしょうか。

 

 

後悔のない人生というのは難しいけど、これは自分で選んだことだからと思いたいところですね。

 

プリンセスメゾンの物語はひとまずこれで終わりを告げましたが「いつでもあなたのそばに」という締めの言葉の通り、最後まで読み終えた私の心の片隅に残り続けることでしょう。

 

 

作品が終わる寂しさはありますが、何とも言えない静かな満足感があります。

 

 

切なく素敵な別れ

 

良かったね…50話。

 

女性陣三人の進む道が異なるのは少しずつ描かれていたので別れの時はいずれ来ることでした。

 

その日が訪れるまでのそれぞれの胸に訪れる寂しさ、祝福、羨望…

 

複雑に入り混じる感情を淡々と描写していたのが好きなポイントです。

 

みんな誰かに聞いてもらいたくなるんだろうなと思えて。

 

出発前の東京駅で沼ちゃんと要さんはこれからもお互いに行き来しようと言葉を交わします。

 

それは「もう頻繁には会えない」ことを知っているから口に出たのかも知れません。

 

お互いの人生があり、日々に忙殺されると人は疎遠になってしまいます。

 

それでも住んでいる距離が近ければ会って旧交を温めることができた。

 

これからはそれも出来なくなる。

 

そうした想いが二人の沈黙から伝わってくるようです。

 

そこへあの181ページ。

 

息を呑んだ。

 

お互いだけに意識が向いていることを表現しているのか、他の景色が飛んでしまうところがすごく好きな演出でした。

 

友人は去り、残された寂しさがつのる。

 

それでも顔を上げて、また歩き始める素晴らしい回だったと思います。

 

 

おまけ漫画「その後の彼女達」

 

六巻にも4ページほどのおまけ漫画とカットが掲載されてます。

 

そこで最終回後の姿がちょびっとだけ描かれています。

 

正直ひとつのエピソードは「それ最終巻でやる?」とちらっと思いましたが、それは私が男だから分からないだけかも知れません。

 

もうひとつは要さんのその後が順調なことと「沼ちゃんラブ」があふれた良エピソードでした。

 

 

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