割烹着女中さんとひとつ屋根の下漫画「木造迷宮」レビュー




女中さんを雇えるほど金と仕事があったら雇いたいわ!平八です。

 

今夜はそんな欲望をじんわりと満たしてくれるアサミ・マート先生作「木造迷宮」のレビューです。

 

 

まあまずはこの巻を読んでくれよ

 

〈あらすじ〉

小説を書いて暮らす作家と住み込みで働く女中さんのハートフルストーリー。

 

 

冴えないけど底抜けにお人好しの優しい作家「柴谷 広一」こと家主のダンナさん。

 

縁あって彼の生活を支えることになったデキる女中のヤイさん。

 

世界の片隅でふたり暮らしていくうちに周りの人達との交流も増え、人間関係が複雑に入り混じっていく様が醍醐味な作品です。

 

そのため本来なら最初から通しで読むに越したことはないのですが、あらすじさえ押さえていれば基本はどの巻から読んでも大丈夫です。

 

最終的に「ヤイさんかわいい」に落ち着くので。

 

 

9巻。ナポリタンをほおばるヤイさん

 

 

なので、あえて言うなら3巻を猛プッシュします。

 

 

何故なら「女中さんが夏の庭で行水というフェチズムしかない回」が掲載されてるから。

 

 

この回を読んだ時「どえらい作家先生だ」と戦慄しました。

 

 

3巻二十一話「行水」より。画面左下がダンナさん

 

とりあえずこの話を読んでみてからでも遅くはないと思います。(何が?)

 

 

 

 

大切な人との何気ない日常の素晴らしさ

 

本作は刺激を求める時には向いていませんが、仕事や生活に疲れた夜に読むと心が軽くなるタイプの作風です。

 

時代はおそらく昭和初期、穏やかな日々を送り、たまに生活に困窮し、それでもふたり身を寄せ合って生きていく。

 

作中を通して表現される「けなげさ」はきっとあなたの心を癒してくれるはず。

 

まあ1巻から順当に読んでいけば、3巻の終わり頃には「もう結婚すればいいんじゃないの…?」という感想を抱くかも知れません。

 

 

 

お互いを想い合う空気、いいよね

 

 

あと、基本的にレギュラーメンバー全員善人なのでノンストレスに読めます。

 

作者曰く裏ヒロインである姪のサエコさんは最初こそちょっとキツめのツンデレですけど読み進めていくうちに「へぇ~ほぉ~素直じゃねえなあ~」とニヤニヤしてしまいましたね。

 

特に7巻四十五話「サエコさんのお仕事」はサエコさんをメインに据えながらも作者の主張したいことが存分に含まれているようで良作です。

 

 

作者の自画像に親近感を覚える

 

「この人自分に正直だな…」と思えるのは、自画像がおよそハンサムとは程遠い点。

 

美味しそうなジャガイモみたいな顔してます。

 

それだけならまだしも、巻末おまけ漫画は煩悩丸出し。

 

取材先でテレビ番組のキャスターさんをスケッチしてグヘへとにやけるギリギリのラインを攻めて来ます。

 

 

3巻のおまけ。自分に素直なのはいいんですけど…

 

 

なんでそんなに攻めっ気があるんだ。

 

作風的にもっとほんわかした自画像にしてもいいのではと思うのですけどそこはアサミ先生の譲れないポイントなんでしょうか。

 

作者の自画像なんて盛ってもほとんどの人は気にしないでしょうが「そこであまりええカッコはしたくない」ということかと思います。

 

その正直すぎるところにも人柄が伺えますね。

 

あと単行本のおまけ漫画ではぶらり散歩旅漫画をよく描かれるのですが、これが結構面白く、本編以外でも楽しませてくれるサービス精神旺盛な一面も見せてくれます。

 

 

スパイス効いてるパイロット版も読んでみたい

 

 

4巻に一話だけ掲載されてるプロトタイプ木造迷宮

 

作家と女中がひとつ屋根の下というコンセプトは同じです。

 

しかし女中さんのドスが効いてるというたった一点、しかし大きな一点が違うだけで雰囲気がガラッと変わります。

 

何かこうよく分からない緊張感が漂ってる。

 

 

4巻。キミなんか雰囲気違わない…?

 

 

年齢もそこそこ行ってそうだし何より「どんな過去があっても特に不思議ではない」雰囲気を醸し出しているのがまた。

 

もしこのプロトタイプのまま木造迷宮の連載が始まっていたらおそらく歴史は変わっていたでしょう。

 

ふたりの間にも妙な緊張感がほとばしってるんですよねこの回。

 

 

まとめ

 

いやあ、割烹着って本当にいいものですね。

 

丁寧に描き込まれた世界観と優しい心情描写が素敵な良作です。

 

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