ダンボール戦機は詳しくないです、平八です。
今夜はダンボール戦機のスピンオフゲーム「装甲娘」のコミカライズ版のレビューです。
元々はゲーム企画と連動してた
正直この企画がスタートした頃の私の認識は「ほうあのダンボール戦機が美少女化ですか。色々仕掛けますな」と記憶の隅にとどめておく程度でした。
ダンボール戦機は観てなかったのでごく基本的な情報しか知らないし、あまりそそられるものがなかったんですね。
装甲娘を意識するようになったのはコロコロアニキ誌上で河本ひろし先生の手になるコミカライズが始まった2018年春号。
河本先生には作品で色々とお世話になったのでコミカライズも読むようになっていました。
そうこうしているうちに段々と「あれっ」と思うような出来事が起こります。
時系列でマンガのストーリーと現実の流れを記載すると、こう。
2017年12月15日:コロコロアニキ冬号にて「装甲娘」特集記事が組まれる。事前登録受付の情報も。
2018年 1月30日:「装甲娘」、PCゲーム版サービス開始
2018年 3月15日:コロコロアニキ春号にて「装甲娘」連載開始。当時のアオリ文は
「アニキいち推し!!DMM GAMESで配信中の「装甲娘」が史上初のコミカライズ!!」
コロコロアニキ2018年春号66ページより引用
メインキャラのカリナ、ソフィア、マココのキャラ紹介と世界観、設定の解説とサービスシーンをふんだんに盛り込んだ。
2018年 6月15日:コロコロアニキ夏号にて「装甲娘」第二話掲載。クノイチ・ケイ初登場。見開き2ページにわたってパンモロというえげつないサービスシーンがある。この時既にゲーム版が休止に入る情報が伝わっていたようで、最後のページに告知がある。
2018年 6月19日:ゲーム版「装甲娘」、長期メンテナンスに突入。
2018年 9月15日:コロコロアニキ秋号にて「装甲娘」第三話掲載。三話目にして温泉回。どえらいサービスシーンがある。ゲーム版メンテナンスにつきコミック版も終了…と思わせて続行宣言。
2018年12月15日:コロコロアニキ冬号にて「装甲娘」第四話掲載。まさかの温泉回後編。温泉卓球に興じる娘達のサービスシーンがある。扉絵で2019年夏、ゲーム版リブートと事前登録受付中の告知あり。ラストのアオリ、「次号、激衝撃の新展開が――!?」は伏線。
2019年 3月15日:今までのことはなかったことにしてください。
2019年 5月30日:ゲーム版「装甲娘」、リブート日程を2019年夏から2019年冬に変更。
2019年7月13日:コロコロアニキ夏号にて「装甲娘」激闘再開、と見せかけて水着回。
2019年11月15日:今度こそ「装甲娘」再起動。世界観の解説を1ページで済ませ、そこそこマニア向けのサービスシーンを展開。← 今ココ!!
表紙のアオリ文は
「今冬リリースの期待の新作ゲームをアニキ流のコメディで最速コミカライズ!!」
コロコロアニキ2020年冬号332ページより引用
本気で2019年3月以前のことなかったことにしようとしてない?
2018年の先生の苦悩を想う
先ほどのまとめの通り、コロコロアニキって季刊誌なので年4回しか刊行されないんですよ。
(※2019年からはおそらく年3回になる。)
で、2018年は秋と冬が温泉回。
2018年掲載話数のうち半分がサービス回。
こう書くと一体どういう状況なんだと思ってしまいますね。
ゲームの方が止まってしまっているので、いかにコミカライズが別物とはいえストーリーらしきものを展開するわけには行かないという河本先生の苦しみが伝わってくるようです。
で、本当に不謹慎な言い方で申し訳ないのですがその姿を想像しながら読むと実に味わい深い。
美少女達が奮闘していると同時に作家先生も奮闘なさっておられるのです。
あと、今回の記事を書くために去年分のコロコロアニキを読み返してたんですけど河本先生の描く女の子のお腹のラインは絶品だという情報だけは添えさせて頂きます。
2019年春、激衝撃の展開
さて、2019年3月現在さり気なく二年目を迎えた本作ですが、年表の通りです。
今年の夏に再起動するゲーム版に合わせて漫画版もリブートですって。
漫☆画太郎先生以来だよこんなの見たの。
最終回というかリセットボタンですよこれ。
で、多分作家は河本先生が続投っぽいのでどんだけ負荷かけてんだと一度聞いてみたい。
ところで今回出てきた新キャラ・ハンター ミナセリノは2018年冬号(2017年12月刊行)の特集時にいたのでゲーム的には新顔というわけではないようです。
しかしまた思い切ったことを…
ここまで河本先生を酷使するのであれば、「装甲娘」は是非とも単行本にしてもらわないとスジが通らないのではないでしょうか。
話数が足りないならゲーム版の設定資料集とか付けて水増ししてムック本で出せばいいんですよ。(暴論)
コロコロアニキ 2019年春号 2019年 04月号 雑誌 /小学館
彼女達の戦いは、続く
とりあえず今月号はアンケートハガキ出そうと思います。
なんか河本先生ものすごく気にしてらしたので。
しかしアンケートハガキをちゃんと見るのって初めてなんですが「つまらないもの」を書く欄もあるんですね。
ちょっと書きづらいな…
あと、一応アプリの事前登録もしておきました。
がんばれ、装甲娘と河本先生。
(追記)その後の装甲娘
コロコロアニキ2019年夏号レビュー
まあ…でしょうね、っていう。
夏にゲームがリブートするって言うからそれに合わせて漫画も一回しか使えないリセットボタンを押したのに延期になったからやっぱりストーリー展開するわけにはいかなくなって水着回。
ムッチムチでプリンプリンで華やかな原稿と裏腹に河本先生の慟哭が聞こえてきそう。
「これってまんが家が描きたいだけなんじゃないの!?この水着を!!」って作中のキャラ(エンペラー=ソフィア)に言わせてましたが、ほぼ九割大人の事情にもかかわらず自分で泥をかぶろうとする河本先生の男気にほれますね。
さり気なくコロコロアニキも今年は秋号出ないみたいなので、次回は冬号(11月15日)に会いましょうという運びになったのですが、本当に間に合うのかなゲーム…
コロコロアニキ2020年冬号レビュー
今までのフラストレーションをぶつけるかのような手に汗握るバトル。
先生も「描いてるペンにも力が入りました」と仰るほど。
上の年表でも書きましたけど「窓を通ろうとしてウェストのあたりでつっかえたアキレスが尻の方から襲撃される」というややマニア向けの展開です。
結果ノーパンという。
どんな状況だよと思われた方は今すぐ読もう、コロコロアニキ!!
つうかアキレスすげぇ体やわらかいな!!
コロコロアニキ 2020年冬号 2019年 11月号 雑誌 /小学館
コロコロアニキ2020年春号レビュー
だいぶ攻めてた。
「198Xメモリーズ」終了後、たったひとりでアニキのセクシー枠を担当する河本先生の胸中はいかばかりか。
あと、まだゲームの方も再起動できてないので表紙の「はじまらない!!」がダブルミーニングなのかと勘繰ってしまいますね。
ストーリー自体はそこまで進んだわけでもありませんが、アキレスとエンペラーの女の子同士の友情が深まったことと「アニキってここまでならやっていいんだ」とストライクゾーンを拡げたという意味では長足の進歩があったと思います。
前回の方がマニア度は高い気がしますけど、476ページとかたいへん宜しかったと思います。
コロコロアニキ2020年夏号レビュー
2020年5月、ついにゲーム版再始動。
色々あったけどここからメディア展開にも力を入れていこうという矢先。
コロコロアニキ誌上では女の子を磔にしてくすぐり地獄。
……いいの?
私もゲームの方はちょっとやりましたけど、こんな攻撃絶対してこないと思うし…
でも241ページからのゲームの方の特集を読むと第9章で、今回目立ってたレッドリボンが何やら怪しい行動をとるとのことで一応連携をとろうとする意思はありそうなのが良かったです。
これからも先生にはコロコロアニキギリギリ読者サービスを頑張って頂きたいものです。
コロコロアニキ2021年冬号レビュー
まずは河本先生お疲れ様でしたと申し上げたい。
何かこう色々な事情に翻弄されながらも最後まで描き切ったことに敬意を表します。
それはそれとしてなんちゅう最終回じゃこれ。
「装甲娘」なのに登場人物が導入2ページ除いてずっとマイクロビキニ着てキャットファイトしてるって装甲要素ゼロってロックすぎる。
製作元から「最終回なんでお好きに描いていいですよ」と許可が下りたのではと勘繰ってしまうような趣味に走った内容でした。
まあ…色々あったからなぁ…
単行本も2021年1月12日発売に大決定したようですし、終わり良ければ全て良し、となるでしょうか。
でも同時期に装甲娘のアニメも始まるようなので、なんか本作はひのき一志先生による「ガン×ソード」コミカライズのような立ち位置になるような予感もありますね。
あっちはあっちで「なんじゃこりゃ」と思ったものです。
話は逸れましたが、こんな二転三転四転する状況にもかかわらずクオリティを落とさず描き切ったことは流石プロと感嘆しました。
あとコロコロアニキって大人向け雑誌なのに乳首NGなんだな。
長いこと読んでて初めて知った。
(追記)2021年1月、単行本購入しました
というわけで購入しましたアニキコミックス。
どういう構成になるかと思ったのですが、当時の内容ほぼそのままで河本先生が冒頭で仰るように「ライブ感」がかなり強い単行本です。
第三話の終了と見せかけて続行も完全収録という念の入れよう。
あそこは当時の状況知らないとピンと来ないのではないでしょうか。
また各話の合間には直筆当時の裏話や使われなかったラフカットなど漫画版装甲娘ファンにはたまらない一冊となっております。
タモリはタル先生の寄稿イラストもあり、色々と得した気分になりました。
あと、昨今の漫画でありがちな単行本で解禁とかはなく乳首はNGでした。