2018年8月現在、今更テラフォーマーズ最初から読んでます、平八です。
とりあえず第3部の序盤までは読み終わりましたが第2部まで精神的にキツかったですね。
もうとにかくキャラクターが死んでいく。
「おお、カッコいい」と思ったあの人も「あっ可愛い」と思ったあの子も。
ちょっと気を抜くと一山いくらで死んでいく容赦ない戦場が広がっていました。
この緊張感とハードな世界観が作品の魅力の一端を担っているのは疑う余地はありませんが、一気読みすると流石に疲れてきました。
そんな時に程よくネジを緩めてくれたのが、公式スピンオフ服部昇大先生作「本日のテラフォーマーズはお休みです。」なのです。
戦士達に優しい世界
〈あらすじ〉
大いなる目的を秘めて火星を目指す宇宙船アネックス1号。
しかし航行途中で機械トラブルに見舞われ、不時着した星は地球そっくりの無人星だった。
彼らの熱い休暇が始まる。
最初に申し上げておきますが、本編とは別物です。
とにかくユルいし敵もそんな強くない。
それゆえ誰も深刻な危機に陥らない。
地球を離れて孤独な戦いに臨む彼らが欲しくてたまらなかったありふれた日常を手に入れる優しい物語です。
これをスピンオフと言ってしまうのはちょっと引っかかるものがありますが(というかここから本編に繋がるとは思えない)まあ公式がそう言うなら従うことにしましょう。
あと単純に面白いです。
本編の、大体16巻くらいまでの知識があれば互いの関係性が腑に落ちますので本編を読んでおけばより楽しめることと思いますが、知識がなくてもテンポのいいギャグが楽しい。
私が好きなキャラはドイツ産まじめウナギですね。
本編カッコよかったけどあの扱いは…と思ってたので。
不器用ながら仲間達と打ち解けていく姿を読めたのはよかったです。
好きなエピソードは5巻収録の「変態戦士頂上決戦」です。
タイトルからしてろくでもない話なのは想像がつくかと思われますが、本当にろくでもなかったです。
しかしマーズランキング一位の彼を結構好きになれるエピソードです。
怒られないギリギリのキャラ崩壊
いや、人によってはギリギリアウトかも知れない。
こんなにカッコいい姐さんが志村けんみたいって言われる世界観だし。
空飛ばないといけないんだからスリムじゃないと、ねえ。
他にも主要キャラというかほぼ主人公の膝丸燈が何かと言うとケツを出すキャラになってたり、そもそも物語の発端である超進化したゴキブリがテラフォーマーズならぬエロフォーマーズとして立ちはだかったり。
文字にすると本当にひどい。
しかし本編と並行して読んでみると作者である服部先生が本編を読み込んでいることも分かるので、本編作者ペアである貴家悠・橘賢一両先生も怒るに怒れなかった向きもあるのではないでしょうか。
テラおや(作者公認略語)の主力メンバーである三バカって本編のこういう描写を膨らませて描いてると思われますしね。
ナンプラーの神とかそれもう関係ねえだろ、というのもちょいちょいありますけど。
読者にも必要だった息抜き
前述の通り、本編はビックリするくらいハードです。
特に1巻は出し惜しみなしのフルスロットルすぎて理解が追いつかないところもありました。
新しい登場人物が出ても「あーこの人アレするんだろうな…」と思うとその通りにアレになったり、殺伐とした世界が延々と続きます。
逆にそのテンポに身体が慣れるくらいに。
第3部では遂に「おいそれどういうことだ」とツッコミたくなるような勢力図になり、終局に向けて混迷を深めてきた感があります。
あんまりマジメ、裏切り、殺伐とかが続くとしんどくなってきました。
そんな時、ある意味終わらない休日とも言えるテラおやを読んで頭をほぐしておくのもいいかも知れません。
本作は箸休め的なスピンオフでありながら実に2年半、単行本にして全6巻も続いたのですから、読者も癒しを求めていたのではないかと推察します。
まとめ
もうじょうじをまともに見れない。
本作に出て来るじょうじは妙に愛嬌があるのがズルいですね。
しかしやってることはエロにベクトル全振りなので、最低と言えば最低です。
大体お前らの中にメスはいねえのかよってずっと不思議でした。