漫画版・味のあるチョイ役大全




昔から脇キャラに目が行きがちな平八です。

 

物語には主役がいて脇役がいて、更に作品に少しの彩りを添えるためのチョイ役達で構成されています。

 

今回はその「出ても出なくても大勢には影響ないのになーんか心に引っかかるんだよなあ」というチョイ役達にクローズアップして行きたいと思います。

 

選考基準としては

 

・ある程度話に絡んでくる

・一コマ限りではなく複数コマに登場

・セリフがある

 

セリフがなかったり、一コマだけの登場ならいわゆるモブと同列というか後先考えずいくらでも面白い造形のを出せてしまうため対象外としました。

 

場を仕切る黒木の昔の客

 

 

車とか全然詳しくなくてもドラマだけで読める、「湾岸MIDNIGHT」から黒木の昔の客です。

 

説明し出すと長くなるので端折りますが、GT-Rが好きすぎるチューナー黒木さんが「悪魔のZ」とのバトルの予感に高揚しているところにたまたま通りがかった男です。

 

端折り過ぎてほぼ骨組みのみの説明になってしまいましたがご容赦下さい。

 

黒木の客の素晴らしいところは

 

・自然な流れで黒木の過去と現在流れている噂を解説した。

・それらを踏まえた上で一見して黒木のテンションを看過した。

・露払いとばかりにそこらの走り屋気取りに帰宅を促す。

・自分も帰る。

 

「帰るんだ…」湾岸MIDNIGHT・16巻より

 

特に一番最後がすごい好き。

 

何という奥ゆかしさ。

 

大体こういう流れになったら「アンタの走り、見届けさせてもらうぜ」とか言いながら後ろをついて行って途中までバトルを解説すると思うじゃないですか。

 

黒木の昔の客は帰るからね。

 

しかも去り際にまたシブいセリフを吐いて。

 

シブいねぇ。

 

「ワカってる」感がハンパないです。

 

そしてこのキャラその後全く出てこないから、私へのインパクトはすごかったです。

 

湾岸MIDNIGHTからは「アキオのアホなバイト仲間」が候補に挙がっていたのですが、黒木の昔の客をノミネートさせて頂きました。

 

27巻より。本当にアホそう。

 

国の掟を教えてくれるオヤジ

 

定番中の定番だけど「ジョジョの奇妙な冒険第二部」からコーラ売りのオヤジ。

 

何をもって定番と言うのだろう。

 

彼を推薦した理由は過度に説明口調にならずに客の素性を読者に解説する手腕(結果、読者は若者の正体にピンと来る作りになっています)もさることながら、彼が口にしたそのセリフが一生に一度くらいは声に出して言ってみたい日本語だからです。

 

第二部第一話より。センスある売り言葉。

 

「飲むんなら金を払いな この国のおきては金よォ」

 

よくよく考えると実に当たり前のことしか言ってないのですが、言い回しの妙で小粋なムードを漂わせています。

 

(金を払わずに飲んだら強盗じゃねーかっていう)

 

そして「財布の管理は自己責任」という世間の厳しさをも教えてくれます。

 

コーラのように甘いだけの男ではありません。(うまいこと言ったつもり)

 

そりゃいるだろうよ。

 

この手の商売人は最近では市場に行かないと見られないので、何か時代の流れをしみじみと感じたりもしますね。

 

自動販売機も手軽でいいけど、こういう売り子さんとおしゃべりしながら物を買うのも楽しいものですよ。

 

(たいてい予定よりたくさん買わされる)

 

若水殿が好きすぎる武将

 

男なら一生に一度は読んでおきたい「花の慶次」から若水殿が好きすぎる武将。

 

実際に本編を読んでほしいので手短に解説しますけど、前田利家の命を破って末森城を死守したという軍規違反が発端となり、激突寸前に至った慶次と利家の緊張感漂う一幕(いきなり尻見せ)にこういうこと言う奴。

第十二話より、赤枠のセリフ。いや、それ今言うこと?

 

確かに村井若水・陽水親子も軍規違反なので処罰の対象ではあるのです。

 

でも今大事なのはケツ出して主君を挑発してる慶次でしょう?

 

どさくさに紛れて何言っちゃってるの?

 

最初はそう思いました。

 

しかし今は考えが変わりました。

 

この武将、若水殿を愛しているのです。

 

そう考えれば全てのつじつまが合う。

 

このままでは若水殿がまた切腹を命じられてしまう。

 

彼は気が気ではなかったに違いありません。

 

そこへ渡りに船。

 

あいつに擦り付けてしまえと思ったことでしょう。

 

で、多分この前(第三話)若水殿が信長公の鎧をめいだ罪で切腹しかかった時もいたと思うんですよね彼。

 

第三話。口惜しがる家臣たち。

 

残念ながら姿を見つけることは出来なかったんですけど居並ぶ武将と同じように悔しがっていたことと思います。

 

というか前田家総出で若水殿好きすぎだろこれ。

 

赦された若水殿に沸き立つ家臣たち。

 

 

溺れる女の子を心配する温泉客の女性

 

伊達さんが独身な理由が分かった気がする「プリンセスメゾン」から温泉客の女性です。

 

 

第二巻より。画面左のおばさん達。

 

存在自体はどこにでもいる世話焼きなおばさん二人組なんですけど、このコマが異様に可愛かったのでノミネートしました。

 

心配の仕方がのんびりしてる。

 

この漫画こういうちょっとしたところが可愛いから見てて楽しいですね。

 

会話の節々からおっとりとした上品さがにじみ出ていて良キャラだと思いました。

 

温泉客の女性と聞いてエロいことを連想した皆様には申し訳ないことをしました。

 

もちろんサービスシーンもあるよ!

 

湯上りシーンだぜ

 

作品の単独記事はこちら。

 

 

 

結局何も分かってないのにイキってるハッカー

 

暗黒大陸編以降はまだ読んでないけど完結したら読むね、「HUNTER×HUNTER」からイキってるハッカーです。

 

流星街を示唆することで有耶無耶になってますけどキミ結局幻影旅団の出自とか何一つ掴めなかったよね?っていう。

 

11巻より。この煽り上手!

 

 

振り返れば血の気の多そうなマフィアが催促に来ているのにこの余裕はただ事ではありません。

 

しかし一見口から出まかせレベルの「あそこならそれがない」が通るのは、もともと彼が実績のあるハッカーだからなのでしょう。

 

よほど自分の腕に自信があり、他者もそれを認めていないとこの論調は通らないからです。

 

ちょっとでもビビってると「当てずっぽうで流星街って言ってみた」感がドバドバ出て来るので、ここはむしろドヤ顔で切り抜ける以外に手ぶらなハッカーが生きる道はなかったとも言えます。

 

まさに百戦錬磨。

 

潜り抜けた修羅場の数もひとつやふたつではないでしょう。

 

逆に言えば分からなければ何でも流星街にしてしまえという論調も成立しなくはないですが。

 

ためにためたキメゴマ

 

そしてお前は誰に対して主張しているんだぜ。

 

主人をじらす執事(?)

 

三国志よりはややマイナー、けれども活劇物の面白さは引けを取らない「水滸伝」から主人・梁中書をじらす執事です。

 

本当に執事かどうかは知りません。

 

何しろ素性が明らかになる前に退場してしまったので。

 

執事単体でもこのじらしっぷりが面白いのですが、ご主人の乗っかりの良さというか実にじらしがいのあるリアクションを取ってくれます。

 

文庫版6巻より。ウキウキする梁中書。

 

 

お金を寄付するものが現れたと言えば目を輝かせ

 

じらすじらす。

 

額はいくらくらいなの、これくらい? と食いついてきて、最後は揉み手をしてはよう教えてくれと覗き込む始末。

 

ナイスリアクション!

 

執事の気持ち分かる。

 

こんなに話に乗ってきてくれる人、じらしたくなる。

 

基本的に賄賂を貰っても何とも思わない上に、その金を上役に贈ってゴマをすろうと考えているようなご主人なので善人ではないのですが、何とも愛嬌のある悪役は横山先生の技量の高さを物語っているとも言えますね。

 

 

涙もろい取り立て屋コンビ

 

 

漫画界でも自称「ボク」が似合うハイティーン男性として一、二を争う早坂弾が主人公の「神様はサウスポー」からL.A.の死神ミック編の涙もろい取り立て屋。

 

 

正直この2人は「出過ぎている」のでノミネートしていいものかどうか少し迷いましたが、別に順位付けするわけでもないのでいいかとガバガバな評価基準で選びました。

 

 

作品の感想記事はこちら。

 

 

 

 

最初のうちは深窓の令嬢・ティファニー に付きまとう取り立て屋として「どう見てもやられ役」で実際こっぴどくしばかれます。

 

 

kindle版3巻より。ムチャなパンチ。

 

 

その後も即改心するわけではないのですが、弾君に脅され、ミックとティファニーの仲を取り持つために三文芝居をさせられます。

 

 

そしてふたりのわだかまりが解けるシーンを見て、涙します。

 

 

kindle版4巻より。アニキのベタなセリフ。

 

ベタなセリフだけどいいよね。

 

ああこいつら悪どいことはしてるけど根っからの悪人ではないんだなあと心の温まるシーンでもあります。

 

最終的には弾君達の帰国の見送りにまで来るという、明らかに神の手が動いていますが、話を転がしてくれたキャラクターに対する作家先生のお礼のワンカットなのかも知れませんね。

 

それはきっと神の左手のせいだよ。

 

 

ホラー映画の文法で襲われたけど助かるカップル

 

男なら99式にロマンを感じろ、「機動警察パトレイバー」からホラー映画の文法で襲われたカップルです。

 

狂気の研究が生んだ怪物・廃棄物13号が海辺を徘徊していることで警戒態勢の中、車でいちゃつくといういかにも「この後犠牲になります」なカップルだったのですが、読者の気も知らないでムードを盛り上げます。

 

この時点で「ケッ、13号に襲われろ」と読者は思うわけですが、実際には警察の巡回に引っかかって結果的に命拾いすることになります。

 

 

で、何で文章だけだとどうということもないカップルをノミネートしたかというとこのシーンがツボだったからです。

 

 

単行本8巻より。この蓮っ葉な感じがイイのよ。

 

 

脱いだおパンツを彼氏の目の前で振り回すしぐさ。

 

 

これ良くないっスか。

 

 

年取ったせいか行為そのものよりも、こう、これからヤるぞって空気が漂ってるのにときめくというか。

 

 

で、よく見たらこの少し前のコマで脱ぐモーションもちゃんと描いてる作家先生のこだわり。

 

 

分かりにくいけどスカートの下で脱いでる?

 

単体でこのコマを見ると「うーん…そう、かな?」と思いますけど上のコマを見た後だともうそうだとしか思えない。

 

少年誌という規制厳しいフィールドを逆手にとって、逆にエロい表現を成し遂げたゆうきまさみ先生の手腕に脱帽ですね。

 

 

まとめ

 

ひとまずはここで締めさせて頂きますが、今後も思い出したら追加していく形式にしたいので〇〇選、という表現は避けます。

 

物語に彩を添えるのは主役だけではない。

 

あえて記事のテーマを問われれば、そう答えることにしましょう。

 

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