特に推しのアイドルはいません、平八です。
今夜はハロプロへの愛を赤裸々に語るTeam.きんだいち作「〆切はおとといです。」のレビューです。
好きという気持ちだけで描き切った日記漫画
どうしても最初に言っておきたいのはこの表紙。
期待しますよね。
本編もこの愛らしく華やかな女性達が活躍するものだと。
でもメインは下の方にいる妙な生き物達がハロオタ活動しつつ漫画を描きつつハロオタ活動する日記ものです。
「どういうこったよ!!」と最初は私も年甲斐なく叫びました。
しかし「ああ…Team.きんだいちの面々は皆ハロプロが本当に好きなんだ」ということが伝わって来るので徐々に気持ちが切り替えられていきます。
私はハロプロと言われてもモーニング娘。くらいしか知りませんので正直本作の七割くらいは何のことか分かりませんでしたが、「今先生達が騒いでいるものが、私も好きなものだったら…」と妄想すると途端に微笑ましくなります。
本作はそういった「好き」という気持ちを訴えたすぎて前のめりになってる作品であると言えましょう。
好きだったチームが解散したり推しが引退してガッツリ凹む先生達を見ているとこちらの胸も痛んでくる錯覚を覚えます。
最近思うのですけど、人間やはり「好き」を語っている時が一番輝いているというか。
その熱量に気圧されることはあっても本作を読んでいて気分を害することは無かったのは美点だと思いましたね。
他にも、分量としてはハロプロに劣るのですが、ゲームへの愛やチョコレートへの愛が散見されます。
あと、本作の中でも私の好きなコマがこちら。
お分かりでしょうか。
彼女達に「推し」はいても「ハズレ」はないのです。
こうした精神は学ぶべき点だと思いました。
Team.きんだいちの面々に詳しくなれる
以前別のレビューで書きましたが私は漫画家の仕事場とか舞台裏の話が好きです。
今のところ金田一蓮十郎先生の作品で他に読ませて頂いているのは奇妙な偽装結婚もの「ラララ」とドラクエ10ラブコメ「ゆうべはおたのしみでしたね」なのですが、この作品が生まれた環境とはどんなものか興味がありました。
でもこれほとんどハロオタ日記だったよ。
作画にこんな苦労が〜とか、ラララの裏側は〜とかは一切ない。
あったとしてもライブに行くためにペン入れめっちゃ頑張ったとか、この時間帯に武道館にいるのはスケジュール的におかしいから黙ってようとかファン活動がらみ。
しかし、最後まで読み終わるとチームの面々について情報が刷り込まれていきます。
「金田一先生の片腕とも言うべきまみちゃん」「特にハロオタではないけど時間の問題なこのはさん」「チョコ大好きみさちゃん」等々、お会いしたこともないスタッフさんの人となりに少しずつ詳しくなっていくのです。
あとは松井さんという方のキャラ設定に多少詳しくなれる程度ですね。(誰だよ松井)
それと、制作現場がすごく空気が良さそうなのは伝わって来る。
例えば各メンバーがこなす業務に対してこの盛り上がりっぷり。
このチームには天才しかいない、という心映えは見習いたいものです。(さっきから見習ってばかりですが)
意外なところで生まれる共感
これはスゲー分かる。
特に理由はないけど何となく録りだめして未見だった作品を、後から一気視聴したら非常に自分好みだった時の悔しみ。
ガッツリハマってしまったのに作品の旬が過ぎててグッズとか少なくなってた時の無念。
何であの時もっと早くに観ておかなかったんだと反省しても時間はもう戻せない。
ハロプロのことは全く分からないけど…分かる。
やはり原稿の向こうにいるのは人間だからなのか、共感する点も多々ありますね。
まあ共感できない部分もいくつかあったけど。
バイオハザードの主人公が連れてるメンドリに誰が相応しいかで鳴き声大会が開催されるとかちょっとついて行けないところも多少ありましたね。
まとめ
漫画家先生達が自分の好きを延々と語り尽くす一冊。
金田一先生(美脚)を筆頭として妙ちきりんな生き物が好きな気持ちを暴走させ、時々収拾がつかなくなるのも見どころと言えば見どころです。
先生も仲間の暴走について行けなくなって(でもそのうち乗っかってしまいそうで)戦慄しているところも面白かったです。
それでは最後にTeam.きんだいちの問いかけで締めさせて頂きます。