進撃の巨人クライマックスの時が近づいてるのを感じる、平八です。
行って来ました「進撃の巨人展FINAL」前期日程、そのインプレッション記事です。
※本記事は展示品に結構言及する内容になってますので、まっさらな気持ちで巨人展に臨みたい方はひとまずご遠慮下さい。
ご覧になってから、後ほどお会いしましょう。
公式サイト:
最後にして最大。「進撃の巨人展FINAL」…
開催場所:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
(〒106-6152 東京都港区六本木6-10-1)
開催期間:2019年7月5日(金)~9月8日(日)
前期日程:2019年7月5日(金)~8月4日(日)
後期日程:2019年8月5日(月)~9月8日(日)
開館時間:10:00~20:00 休館日なし
※入館は19:00まで。
観覧料 :一般・大学生2,000円、中・高校生1,500円、4歳~小学生1,000円
震えたぜ、映像体験
すごすぎて「ホゲェェ」ってなった。
展示会場の中ほどにある、ジオラマとスクリーンを使った動画がめっちゃクオリティ高いんですよ。
動画は二本に分かれていて、ひとつは原作漫画をベースにした進撃と鎧の息もつかせぬド迫力バトル。
戦闘の余波で巻き上がる破片が飛び込んでくるかと錯覚するような画面作りに頭が真っ白になります。
少しの休憩を挟み(その間進撃アイテムが隠されたジオラマを激写)もう一本は何とこれからアニメ化されるであろうマーレ編、ヴィリー・ダイバー決死の舞台と開戦が描かれます。
こちらは新作アニメというわけではなく原作漫画のコマを素材にして音声と効果を乗せて映像作品に仕上げたものですが、とにかくテンポが良くてほんの5分ほどの間にエルディア帝国歴史舞台劇、進撃vs戦鎚、顎・車力参戦、リヴァイと獣の対峙までが描かれます。
エレンが巨人化するところもシビれましたけど、個人的にはピークちゃん参戦が超カッコいい。
カット割りの巧みさを見せて頂きました。
それとエルディアの歴史と脅威を語るヴィリーの声がやたらカッコよくて惚れ惚れしたのですが、どなたなんでしょう?
私の耳では井上和彦さんに似てるな、と思ったんですけど最近の声優さんあまり知らないので的外れかも知れません。
あと、先ほども触れましたけどスクリーンの真下の荒廃した世界のジオラマには進撃世界関連アイテムが多数配置されており、動画の休憩中も休ませてくれません。
ただ、サシャの食べかけの芋を発見した時はしんみりしてしまいました。
なんて物を置くんだ。
大興奮の原画、ネームの数々
やっぱいいなぁ、生原画。
世の中デジタル化の波が来てるし(かく言う私も趣味の絵はデジタルですし)アナログで執筆される方は少なくなっていくかも知れませんけど、生原稿のこの存在感がたまりません。
ウォーこんなとこまで描き込んでるのか先生!とコミックで読んだだけでは気づかなかった仕上げの細かさに思わずため息が漏れます。
私が行った時間帯でも熱心なお客さんが結構いらして、原稿をためつすがめつ眺めていたのが印象的ですね。
夏休みに入ったこともあってか、小学生くらいの客もいて、原稿に穴があくんじゃないかと思うくらい見つめていたのを見て胸が熱くなりました。
今彼の心を捉えて離さない進撃の巨人。
縁もゆかりもない私と彼は進撃の巨人に心を奪われたという共通項をもってこの場にいるのです。
かように完成原稿も大変素晴らしいのですが、私の心を鷲掴みにしたのは最後の小部屋の壁を埋め尽くす大量のネーム。
おっ…お宝でおまーっ!!と思わず変な口調になった。
しかもその部屋は諫山先生のインタビューも上映されていて情報がオーバーフローしまくっていたのですが、まずはネームを激写させて頂きました。
2ヶ月ほど前に再読したので記憶に新しい箇所も多く、ここは実際の原稿と違う、という点をいくつか見つけてひとり興奮してました。
「このシーンはクリスタいなかったけどネームの段階ではクリスタの役だったのか」とか「エレンが泣いてるように見えるけどペン入れの時にあえて涙を隠してエレンの心情を濁したのか」「ああ…ここにこいつがいるとカンのいい人はすぐ気づくかも知れないから展開変えたんだな」などなど作成段階で様々な検討が加えられて原稿が完成したんだと思うと自然と心拍数が上がります。
そして貴重な「まだ固まってない頃のキャラ設定」。
オリバー・ピークって誰だよ。
あと諫山先生ご自身もネタにされてたひとりだけ何か方向性の違うサシャとか。
諌山先生の印象
展示される原画の数々の中に、ちょこちょこ諌山先生のコメントが添えられています。
流石にそこだけで諌山先生の全てを推しはかることなど不可能ですが、基本作品に対して真摯かつサービス精神旺盛な作家先生であることは察せられます。
ライナー戦にハンジが飛び込んできた時雷槍を一本しか持ってなかったことに気づきもしなかったんですけどちゃんと理由が添えられていて驚きました。
また「せつないベルトルト」の表情はご自身で切ない表情をして鏡に映して描かれたそうですが、その情報を知ってから原画を見返すと名状しがたいおかしみが沸いてきます。
で、私が一番好きなコメントがこちら。
新しく出たキャラクターを立てようと必死でした。
後になって「ああすればよかった、こうすればよかった」
と思うばかりで、空回り感が否めません。
ファミチキが大好きです。進撃の巨人展・マーレの戦士と候補生たち展示より引用
これも何かのメッセージなんすか諌山先生。
ピークちゃんがファミチキが大好きだとか、そういう?
あとは私も大好きなこのシーン。
ダジャレを思いつくと言わずにはおれない性分のようで、こんなシリアスな状況にぶっ込んでくるサービス精神がたまりません。
展示以外では先ほども触れました「諌山先生インタビュー」の中で結構俗っぽいことも言っててその飾り気のないところもいいですね。
お金は大事だよね。
ご自身が感銘を受けた、優れた作品に対する分析にも頷けるところがありましたし、ますます最終回が楽しみになってきました。
当日の状況
普段六本木とか行かないので緊張しました。
あんなシャレオツな街に自分のようなカッペが行っていいものかどうか。
ただ、なんか六本木ヒルズ周辺結構アニメに侵食されてたのでだいぶリラックスできましたね。
ひと呼吸つくためにガンダムコーヒーとか買っちゃう。
そして会場。
えっ、このビルの上の方?と怯みました。
やっぱり場違いかな…と思いつつも超早いエレベーターで52階へ。
基本ダークファンタジー路線なのである程度ファンの年齢層は高いのかと勝手に想像してましたけど、意外と小学生〜中学生と思われる客も結構いました。(※夏休み入ってます)
そして赤ちゃん連れで来場するお母様も。
意識したかどうかは分かりませんけど抱っこ紐が立体起動装置みたいになってて軽くウケました。
立体起動装置で思い出しましたけど、一番最初にチュートリアルしてくれるスタッフのお姉さんは調査兵団の制服でバッチリキメてたのに中で誘導してくれるスタッフさん達はお揃いのTシャツか何かだったのがやや残念でしたね。
全員調査兵団の格好してくれても良かったのに。
まあめっちゃ暑そうなので作業性を優先したのかも知れませんけど。
プチ考察
ライナーとベルトルトの謎の会話
ここからは会場にあった情報から判明した事実やそれを元にした考察語りです。
初っ端ですけど、巨人展では入り口で音声ガイド(有料800円也)をレンタルでき、所定の場所でナンバーを押すとアニメキャスト陣による音声ガイドが始まります。
全19章。
ボタンが9までしかないので、10番を選択するときは「1」「0」と順番に押して選びます。
オリジナルのキャラ同士の掛け合いを楽しみつつ会場を巡っていると、ライナーとベルトルトの章で不明瞭なやりとりが発生します。
実際のやり取りは再現出来ませんけど「九つの巨人は座標で結ばれている。いつかまた人の姿で巡り会うために努力せよ」といった趣旨のセリフです。
ちょっと不思議な言い回しです。
また巡り会う、というのは来世を指しているのでしょうか?
普通なら「へっ…ロマンチストな男じゃぜ」とクールに流すところですが巨人の力という訳の分からないものを背負った彼らの言うことなら別の意味があるのかも知れません。
例えば進撃の巨人世界には魂があり、一度継承権を手にした者は座標に縛られて輪廻転生を繰り返すよう運命づけられるとか。
そもそも近しい継承者なら過去未来問わずある程度の記憶を視ることが出来たりなんでもアリ感半端ないユミルの民ならあり得なくはないと思えます。
ただ、気になるのが人の姿で巡り会えるよう努力しろ、という言い回し。
努力で何とかなることなの?
まあ、お互い人の姿で生まれ変わるに越したことはないでしょうがね。
じゃねえとほら…できねぇだろ?(ゲス顔)
ニシンの解釈は見たままだった
第38話「ウトガルド城」(9巻収録)の単行本173ページ、ユミルが缶詰を見てニシンと言い、ライナーがお前これ読めるのか?と言ったシーン。
この時ライナーは自分も缶詰の文字が読めたにもかかわらず出自を明かす時ではないと判断し「俺には読めない」と言ったのではないか、と。
この後夜が明けてから覚悟を決め、自分達の所属を明かしますので上の解釈で矛盾はないように思えます。
しかし、そこから更に経った第108話「正論」(27巻収録)の単行本69ページで気になるアルミンのセリフがあります。
「幸いエルディア語が公用語だそうだから言葉は通じる国が多いんだってね」
「訛りや文字には気を付けなきゃいけないけど」
これは第35話「獣の巨人」(9巻収録)単行本44ページでジークが言っていたこととも合致します。
何が気になったかと言いますと「言葉が同じなのに文字が読めないくらい異なることがあるだろうか?」という点でした。
そこから考えたのは「ウトガルド城でライナーは本当にニシンの文字が読めなかった。それはユミルがマーレの外の国にある収容所で生まれ育ち、缶詰に書かれた異なる文字を知っていたから」という仮説です。
サッと流されましたけど第98話「よかったな」(24巻収録)単行本153ページでマーレ以外にもエルディア人の収容区はあり、戦士候補生ウドはそこから来たと語られています。
それに加えてユミルの手紙(第89話「会議」)の中でも彼女がどこで生まれてどこで捕まったかは明確になってなかったことに着想を得た仮説ですが、これには色々問題があって「何故そんな遠い外国から来た食料があったのか」と問われると苦しい。
普通にユミルはマーレの収容区で生まれたってことでいいんじゃないかとも思うのですが、ユミルの謎めいた半生にはこうした皆と異なる出自がふさわしいのではないかと考えるのです。
しかしこの度進撃の巨人展において、遂にアンサーが!!
あっ、ですよね。
そう…この世界には大した意味なんかなかったんだ…
どうとらえる?あの音を
※ここは本当にネタバレというか先入観を植え付けてしまう可能性がありますので、出来れば進撃の巨人展に行かれた方以外はご遠慮下さいますようお願いします。
難しいな…
何か分かったような気もするし全然分からなくなった気もする。
ただ、以前何かの番組で「進撃の巨人最終回ラストページ」が公開された時のことと併せて考えるとやっぱり発動したんじゃないかなって。
で、あのワイヤーが軋む音や馬車?のような何かが駆ける音を聞くと最終回はエピローグとかじゃなくてギリギリまで物語は動き続けてるんじゃないかと思います。
あの雷のような地響きのような不穏な音や不気味な風の音は世界の終末を予感させるに足るものがありました。
しかしそうなると本当にどこを落としどころにするつもりなのか分からなくなってきて、ちょっと考えすぎなのかとも思ったりします。
別記事ですけどこういう考察もやってます。
ラストに向けて突っ走れ
まあ結局音の展示の意味はほとんど分かりませんでしたがますますこれからの展開が気になってきました。
2019年7月27日現在、雑誌連載ではエレンがどえらいことになってしまい、目が離せません。
「これまで付き合ってくれた読者に読んできてよかったと思ってもらいたい」と力強く語る諌山先生の言葉に期待しつつ、その時を待ちたいと思います。
オレも手拭いを振り回して応援するぜ!!