ギャグ、ミュージカル、そしてラブ…「劇場版パタリロ!」レビュー

主にアニメで観てました、平八です。

今夜は「え…実写化していいの…?」な魔夜峰央先生原作「パタリロ!」のレビューです。

 

濃ゆいギャグと歌のてんこ盛りムービー

 

最初に申し上げますけど観終わった後すごく疲れてました。

何もかもが、濃い。

もう令和なのに原作開始時(すなわち昭和)の空気を意識した演出。

強引ながらも再現しようと試みた魔夜峰央先生のギャグの数々。

「この映画そういうジャンルだったの…?」と途中で気づく、唐突に歌って踊る登場人物たち。

前情報無しで観たから分からなかったんですけど実はコレ分類的にはミュージカルムービーだったんスよ。

完全に虚をつかれた。

で、本当にたまたまなんですけど映画館で流れた予告編の中に「ダンスウィズミー」っていうジャパニーズミュージカルの宣伝があって何となく前フリっぽくなってたのにまたウケました。

最終的には満足したんですが、正直な話をすると冒頭から「ヒースロー空港という設定のセットに集まるイギリス人という設定の日本人達がなんか騒いでる」絵を見て目頭を押さえたんですよ。


スパイダーマン観に行きゃ良かったって。

 

絶対ヒースロー空港じゃないヒースロー空港を「見立て」の境地で「お客さんここはヒースロー空港だと思いねえ」的な視聴を強いられてると感じて最初はだいぶ辛かったんですよ。

でも前述の通り「この映画で観せたいのはそこじゃない」と気付いてからはオール日本人キャストも何となく舞台寄りなセットも段々気にならなくなり、バンコランがテーマソングとともに踊りまくったり目から怪光線を垂れ流して大暴れする頃にはもう完全にハマってましたね。

ミーちゃんレコード名曲ぞろい過ぎる。

ダンシングナマハゲボーイとか、あのシーンに合わせて流れるのが本当に酷くて劇場で笑いを堪えるのが大変でした。

また、各シーンがとにかく濃いので10分もしたら前の内容が頭から飛ぶ現象が頻発するのも困りものでしたね。

時々「こんなん子供に見せられるか!!」って言いそうになるシーンもあったり感情大忙しです。

あと加藤諒さんが異常なまでにハマり役というか、アニメとは別物なのにパタリロとして成立してるのがすごいと思いました。

あえて苦言を呈するならばタマネギ部隊のあのヅラはないだろ。

ヘアメイクさんどうしたの!?って思っちゃったよ。

まあ…舞台からのスタッフが続投されてるらしいのでその設定を踏襲されていることは想像に難くはないのですが。

 

美少年達の濃厚なサービス

 

まあパタリロですから多少は…

と納得しつつもタマネギ部隊はかなり攻めてた気がします。

あれ耐性のない人とか連れていくと結構気まずいと思う。

あとやっぱり避けて通れないのがバンコランとマライヒの関係性ね。

ふたりの愛が物語にも絡んでくるからそこは描写せざるを得ないのかも知れない。

しかし…ううん…攻めたなあ…

あの問題のシーンもダンシングナマハゲボーイのおかげでだいぶマイルドになったとはいえデンジャラスでしたよ。

 

 

原作者も登場するよ!

 

というか何してるんスか魔夜先生。

ちょっと前の劇場版「翔んで埼玉」の時もスクリーンに登場されてたし、実は結構出たいタイプ?

しかも今回は「あれそうだったの!?」と後から気づかされたり予想外の登場をされるので本当におなかが痛くなりました。

ところで今作はサイタマラリアまさかの登場など、翔んで埼玉世界とシンクロしている場面もありますので、未見の方は埼玉の方もチェックするとより理解が深まるかも知れません。

過去のレビュー記事はこちら(↓)

 

まあ後半忙しすぎて登場人物全員埼玉のこと忘れてますけど。

あとパンフレットで監督と加藤さんと結構長めの対談もしてらっしゃるので、近年はかなりフランクになられた印象です。

 

色々ぶっちゃけすぎなエンディングテーマ

 

濃厚なギャグ、ミュージカル、少年愛、SF(意味が分からなくて最高)、意外とちゃんとしたアクション、原作者と盛り沢山な内容を2時間近く浴びせられ続けてほぼほぼグロッキーな観客に襲いかかる魂の雄叫びみたいなエンディング曲。

もう笑うしかなかったですよ。

そのアオリを食ってスタッフロールが最後にパッと出るだけでまとめられるとか「シャークネード」の読ませる気のない超高速スタッフロールを彷彿とさせましたね。上から下まで自由すぎる。

アニメの印象が強いので、てっきりラストはあの音頭を持って来るものだと思ってたんですけどね。

おっとこれ以上はいけねえ。

 

まとめ

 

間違いなくパタリロの遺伝子を持った実写化。

そりゃあいくら2.5次元を謳っていても原作漫画独特の間とか再現が困難な要素は沢山あります。

しかしそれでも愛と根性で何とかしようとしてたのは伝わってきましたし、その心意気に胸を打たれる場面もありました。

魔夜先生の漫画で見られる登場人物がシルエットになる場面をバンコランの大立ち回りのシーンで再現していたのは思わず唸りましたね。

あと、購入したパンフレットにスタッフが載ってたので「劇中のアニメを作ったのはどこの制作会社なのか」を探してたら

(哀川翔甲冑担当)

という役職を見かけて噴き出してしまいました。

 

そんな大真面目にクレジットして…

 

衣装を直々に用意させるなんて流石翔兄貴というべきか、なんじゃその役職とツッコむべきか。

 

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