「パタリロ!100巻記念・魔夜峰央原画展in新潟」訪問手記

マライヒは女の子だと結構長い間誤解してました、平八です。

行って来ました「パタリロ!100巻達成記念・魔夜峰央原画展in新潟」。

その訪問手記です。

また、幸運なことにトークショー&サイン会「ミーちゃんを囲む会」にも参加して来ましたので、その模様も記します。

※本記事では魔夜峰央先生の意向を汲んで、先生を「ミーちゃん」呼びしておりますが先生を軽んじる意図はないことを前もってお伝えします。

 

情報:
開催場所:新潟市マンガ・アニメ情報館
     (〒950-0909 新潟県新潟市中央区八千代2-5-7 万代シティBP2 1階)

開催期間:2019年11月23日(土)~2020年1月5日(日)
開場時間:11:00~19:00(土日祝は10:00開場。最終入場は18:30まで)
     12月31日(火)は17:00閉館、2020年1月1日(水)は休館。
入場料金:一般1,000円 中高生700円 小学生500円

割と最近よく行く。

黒と白とゴールドの展示会

 

ミーちゃんてばカラーあんま好きじゃないんですって。

後述のトークショーでの発言ですが、モノクロでの表現の方が好きで、単行本の表紙みたいなカラー原稿は「描けと言われたから描いた」という後ろ向きな発言が飛び出す始末。

「単行本の表紙もモノクロでいいのに」という趣旨のことを仰ってましたがそれはそれで見てみたい。

こだわりを持たれるだけあって、やっぱバンコラン超カッコいいしね。

 

原画展チケット。バンコランカッコいい。

展示会場もそのこだわりを追求したというか黒の壁に原稿を掲示し、金色のボードで注釈を入れる洒落た雰囲気。

そこかしこに金色で描かれた幕も飾られており、落ち着いた独特の空気が漂います。

しかし入場口で魔夜峰央先生ご自身による「永遠の28歳ミーちゃんごあいさつ」が延々と繰り返されるのはちょっと面白すぎるのでもう少し間隔を開けて欲しいと思いました。

私事ながら、うちの母親の持ちネタも永遠の28歳なんですけど「もしかしてミーちゃんから借りてたの…?」と一瞬気がそぞろになります。

会場内はミーちゃんの原点である怪奇コーナーから始まり短編「怪奇生花店」を丸々一話読めるサービスぶり。

続いて「ラシャーヌ!」「パタリロシリーズ」「アスタロト」と代表作がコーナーごとにピックアップ展示されています。

で、言葉で表現するのは難しいのですが原稿から少し距離を取って眺めるように見ていると白と黒のバランスが絶妙だと改めて気付かされます。

陳腐な言い回しながら、これがセンスと言うものか、と。

こりゃ真似しようと思って出来るものではないなと思いつつ歩を進めると会場の中央付近でなんと若き日のミーちゃんが少女まんが講座をしているVTRが。

その中でミーちゃんは「センスは磨くもの。新しいものを吸収して粘り強くがんばればきっと漫画家になれます」と当時の漫画家志望読者に語りかけておられました。

たった今センスの壁のようなものに打ちのめされた中年がここにいるのですが、ミーちゃんがそう仰るなら頑張ろうという気持ちも沸いて来ます。

 

ラシャーヌ!撮影ブースにて。このファッションセンスよ。

ところで若き日のミーちゃんは髪型をビッとキめ、サングラスをかけたシブい青年でパタリロのように破壊的なギャグを描かれるようには見えなかったのですがカオで漫画を描くわけでもなし、と思い直しました。

 

美しさは、罪

 

館内巡って注釈もひと通り読んで、ミーちゃんのテーマは「美」がかなりのウェイトを占めているのでは、と思いました。

注釈の中で特に印象深かったのは

 

「きれいであることを心に掛けて生きていれば、それなりの顔になるということですね」

 

「展示会・注釈」より抜粋

 

という一文。

目に見える美醜よりも美しくあろうとする心映えを大事になさっているとのことでした。

長らく美少年美青年を描いていると「美」について深く考える場面もあったんだろうな。

他にも「女の子の心を持った男の子と美青年の関係が一番きれいだと思う。きれいな女性同士はなまめかしすぎる」というミーちゃんの感性の根っこに迫るような文章もあったのですが、正直ちょっと腑に落ちてません。

文章は理解できるけれども感性として理解できてないこの感覚。

しかしこうした感性を研ぎ澄まして今まで作家を続けて来られたんだろうなと思いつつ展示物を眺めていると「青春感動巨編『青春とはなんだ!?』」という実にくだらない2ページ漫画が貼られており、ミーちゃんの引き出しの多さと奥深さに戦慄しました。

 

華麗なるミーちゃん

 

トークショー&サイン会「ミーちゃんを囲む会」

 

2019年12月1日午後1時30分、年末迫るデパートの一角で集いは始まりました。

生峰央先生(イントネーションは同じ)に逢えるとあって客席は皆気もそぞろ。

私自身も今までこうしたトークショーにあまり参加したこともないのでどんな話が聞けるのかと浮き足立っていました。

結論から申しますと、トークがフリーダムすぎてちょっと理解が追いつかないところも多々ありました。

最近無理に映画を10本観た話をしたかと思えば展示会の話、上も書いたモノクロにこだわる話、スピリチュアルな話、パロディで揉めた話、ブラックホールとスピリチュアルの話…スピリチュアル多くない?とチラッと思いましたけど、ミーちゃんの作品を振り返るとスピリチュアルは作品を紐解くキーワードのような意味合いがありますのでここは外せません。

司会進行を務めておられた新潟マンガ館館長が未来を視ることが出来るという情報は本当に必要だったのかと疑念を抱いておりますが。

館長妙にキャラが立ってて物腰柔らかいミーちゃんとのコントラストが仕上がっていました。

「普段は物静かなミーちゃんがスヌーピーの話題になると若干食い気味になる」など意外な一面も見られたし何より生ミーちゃんと会話できてサインを貰えて握手もしたのはとてもいい思い出になりました。

内心「すいませんね…こんなオッサンが来ちゃって…俺が美中年だったらなぁ…」という思いもなくはなかったのですけど、そこは先生のご好意に甘えさせて頂きました。

昔何かの本で「魔夜峰央先生はかなりの潔癖症」だと読んだことがあったので一応は気にしてたんですよ。

まあしっかりと握手させて頂いたんですけどね。

 

今年はミーちゃん作品が2本も実写映画公開されたり何かと動きのある年でした。

 

 

目指せパタリロ!200巻

 

単行本展示コーナー。壮観と言う他ない。

 

100巻達成記念でもある展示会で頼もしい言葉を頂きました。

今のペースだと達成まで40年くらいかかるようですが「どうせなら高い目標目指して生きていきたい」という気持ちの表れだと思うので陰ながら応援しております。

 

まだ折り返し地点だぜ!!
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