実写映画版『氷菓』レビュー

  • 2017年11月12日
  • 2018年11月28日
  • 映画

岡山天音さんのファンになりました、平八です。

 
私としてはまったくノーマークだったのですがケーブルテレビで劇場版公開記念・アニメ版一挙放送をやってて、ついつい通しで観てハマってしまったので映画館に足を運びました。

 
アニメ版は特にラスト2話が良かったですね、若者の悩みが凝縮されてて。

 

映画『氷菓』公式サイト

 

 

アニメ版1話〜5話に準拠

 
小説版は未読ですのでアニメ版を基準にしますがヒロイン千反田えるの叔父が学園を追われるきっかけとなった事件を追うエピソードを元にしています。

 
時間がやや短いので割愛されたエピソードもありつつ省エネ主人公と彼を取り巻く仲間達の青春劇になっています。

 
折木奉太郎役の山﨑賢人さんが面倒臭そうに終始ボソボソ喋るのが印象的でしたね。

 
カロリー使いたくねえという説得力が出てます。

 

しかし物語が高一の春から始まるのに古典部メンバーが大人びすぎているというか先月まで中学生だったの?この人達、な違和感が早くも漂ってきます。

 
同じように高校生役で山﨑さんを起用した実写版「ジョジョの奇妙な冒険」ではそこはあまり気にならなかったのですが、あっちは「登場人物がどれだけフケてても問題ない」絵面だったからだと思います。

 
原作の方向性の違いですかね。

 

天音君フィーチャー

 
本作を観てて一番気に入ったのは里志役の岡山天音さんですね。

 
普段あまりドラマは観ないので存じ上げませんでしたが今後名前を見かけたらチェックしようかと思うくらいには興味を惹かれました。

 

 
彼がすごいと思ったのはルックスは全然似てないのに里志の雰囲気をちゃんと醸し出してるところです。

 
セリフどうこうではなく「里志はこういうことする」と思わせるようなお調子者アクションを画面内でやってるところが好印象でした。

 
この前やってた「ジョジョの奇妙な冒険」の広瀬康一役の神木隆之介さんにも同じことを感じました。

 
あっちもセリフや段取りをかなり変えててルックスも全然康一君じゃなかったんですけど康一君がやりそうなこと、取りそうなリアクションをこなしているので登場人物の中で一番原作に寄せてたと思います。

 
逆にアンジェロと承太郎は独自路線出しまくりだと思いました。

 

 

劇場版とアニメ版との比較

 
一番の違いはやっぱ特殊効果ですね。

 
例えば本作を代表するセリフのひとつである「私、気になります」を口走る時、アニメ版の千反田えるは周りをヒロインオーラで包み奉太郎を圧倒するのを視覚的に表現します。

 
対して劇場版はこの時特殊効果を用いず千反田える役の広瀬アリスさんが目玉をひん剥いて迫ってくるだけ、という絵面になっています。

 
役者さんに負荷をかけすぎではないでしょうか。

 
もっとこう、画面を華やかにするとか光を散らすとか。

 
何かの記事でアリスさんが「このシーンではまばたきしないように気を付けました」とインタビューに答えていたような記憶があるのですが、なんかこう「気をつけるのはそこなのかな…?」という疑念が湧き上がりました。

 

名探偵だぞえ!千反田ちゃん

 

 

また話の流れ自体は基本的には同じなのですが、えるの叔父である関谷純が学校を追われることになった顚末がだいぶ変えられています。

 
劇場版ではあの一件の首謀者に祭り上げられることもなく、むしろ熱に浮かされた学生達を遠巻きに見ているだけの生徒として位置付けられています。

 
しかしあの騒動の日、燃え盛る建物のそばで動けなくなった女生徒(糸魚川先生)を我が身をかえりみず救出するというガチの英雄的行為を示すのですが、放校に至る流れは一緒なのですごい違和感がありました。

 
校長「彼は危険な目に遭っていた女生徒を身を呈して救った。それはそれとして彼をスケープゴートにしよう」

 
糸魚川「私は優しい英雄に命を救われた。でも全体的にはこの物語は英雄譚じゃありません」

 
薄情すぎんだろお前ら。

 

何か学生運動を気取ってイキっていた首謀者の中に校長の縁者がいたと考えた方が自然なくらい「何でその流れで関谷を生け贄にするの…?」と疑問符がつきました。

 
私、気になります!!(パクった)

 
ただ白状するならば、千反田家を訪問してから糸魚川先生に真相をただすシーンまでの記憶が私のおつむから抜け落ちているのでそこに理由が隠されているのかも知れません。

 
何故抜け落ちているかというと不覚にも船を漕いでいたからです。

 
前日に夜更かししていたのがたたったようなのでそこは私に非があります。

 
そのうちまたレンタルビデオとかになると思うのでその時確認します。

 
帰ってからもう一度アニメ版の該当エピソードを見返したら「このセリフあったかな…?」というところもいくつかありましたので。

 

 

あと、ラストはおそらく学祭間近の風景だと思うのですが、門の装飾がわびしすぎたのでもうちょっと頑張って欲しかったです。

 
部活動が活発な学校の学祭とはとても思えませんでした。

 
こういう時実写というのは損ですね。

 
もちろんアニメ版でも「部活の殿堂として鳴らした学園の学祭」を表現するためにアニメーターさんが超頑張ったのは想像に難くありませんが、更にそれを3次元で表現するのはものすごく大変だということは分かります。

 
分かった上で、もうちょっとだけ頑張ってほしかった。

 

 

してみると文章が一番楽だな。

 

 

まとめ

 
以前こんな記事を書いたにもかかわらず、結局アニメ版にだいぶ引っ張られてフラットに観れていなかったという点は反省してます。

 

過去記事:

メディアミックス作品を見るときの心構えなど

 

そもそもアニメが面白かったから勢いで実写も観に行ったという流れがゼロベースで観るには向いてなかったのかも知れませんが。

 

 

自分としては岡山天音君の今後という私気になります案件が出来た分楽しめました。

 

 

機会を見つけて今度は小説版も読んでみようと思います。

 

 

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