いいトシだけど可愛い女の子が描きたいです、平八です。
今夜はお絵かき教本、ワシにも可愛い女の子が描ける?林晃先生著「女の子のカラダの描き方」レビューです。
(作画の作家先生は複数いらっしゃいます。)
※本記事は一部不快と受け取られる可能性がある表現があります。
具体的には女性の胸部を連呼したりしていますので、そう言った内容に抵抗を覚える方はご遠慮頂きますようお願い致します。
でも本書を語る上でそこを削るわけには行かなかったのです。
パイオツにかける情熱
下品な見出しで申し訳ない。
しかし本書の全176ページのうち一割に相当する18ページ分を女性の胸部の描き方に費やしていることを知ればむべなるかな。
本書は題名の通り魅力的な女性の体を描写するために全身をくまなく解説していくのですが、バスト以外の体のパーツごとのページ配分として
・頭部と首回りの表現 14ページ
・腕と手に関する表現 14ページ
・足と脚の表現 17ページ
・胴体(お腹) 4ページ
・脚の付け根周辺 10ページ
・お尻 6ページ
上記以外は動きのあるポーズや漫画的な顔の描き方等。
こうして見るとやっぱり多いぜ乳の描き方。
基本的な乳房の形状の解説に始まり、寝そべった時に胸の肉はどう動くか、アオリで見るとオッパイはどうなっているか、アニメなんかでよく見る左右の乳房が別々にぶるんぶるん揺れる時は何を意識して描くかなど至れり尽くせり。
本書に書かれていることが全てではありませんが、「こういうところに気をつけて描いてみてね」という解説が詳細なため実に参考になります。
慣れて来たらここに書かれている内容をベースとして自分の理想のイマジネーションを乗せていく、という使い方も出来ますね。
というか最終的には自分の望む絵を描くのが本懐でしょう。
あとバストトップの描き方(全八種類)にも注目。
これがあればマンガ乳首を描く時に当分困らなそう。
こうしたかゆいところにも手が届く乳の描き方編は星五つを謹んで進呈させて頂きます。
欲を言えば尻の描き方編がもうちょっとボリューム欲しかったかな。
コツ(骨)をつかむことの重要性
出だしから骨格が分かる透視図を取り入れ、筋肉の流れだけでなく骨のかたちを意識させるような構成になっています。
例えば腕をひねった時、この骨がどういう形で移動して正面からどう見えるか、そこに付随して肉はどう動くかというように。
人物を輪郭で捉えることが大事だと思っていますが、本書のようにホネを意識して人体を考えると「この輪郭のラインなんだろう?」という疑問に納得しやすいかとも考えますね。
かの巨匠さいとうたかを先生が若かりし頃に学んだという「自分が今何の線を描いているのか常に考えながら描く」に通ずるものがあると思っています。
特に58ページからの「脚の骨と肉感の表現」にて描かれたヒザを曲げた時の描き方などは骨と肉の描写がとても分かりやすい。
突っ張る骨と押し潰されて変形する肉とか、普段意識していなかった箇所への気づきを促されましたね。
常に骨を意識し続けるというのは少々慣れが必要だと感じましたが、手癖で妙なところに線を引いたりすることが減るかも知れない。
もちろん自分でも実際の人物を観察して自分の絵に落とし込む作業が必要になるのですが、今回講師として登場した作家先生がどのような点に留意して描いているのか、が事細かに書かれており、まさに教本といった作りになっています。
繰り返しになりますけどこの本に書かれていることをそのまま適用するのでなく、この本で得た視点をもって人体を観察し、自分の絵に盛り込んで行くというのが本書の活用法であると考えます。
でも日常生活で女性をガン見するとかは普通にポリス案件なので気をつけましょう。
時々変わる絵柄
まあ複数の作家さんが執筆されてるというだけなんですけどね。
昔のアニメなんかでシーンごとにキャラの顔が変わるようなものと考えればあまり気にしないで済みます。
ただ私は表紙に惹かれて手に取ったので、やっぱり表紙の森田和明先生が登場するとテンション上がります。
あと裏表紙の地味巨乳三つ編み眼鏡っ娘が胸を強調するポーズが最高なので書店などで手に取る機会があれば是非確認をお願いします。
(※139ページにメイキングあり)
まとめ
題名に偽りなし、女性の描き方に全振りした一冊。
基本ポーズの描き方からアオリ、動きのあるポーズや髪の描き方などにも言及していますが、大部分は魅力的な女性の体を描くためにはどう考えればよいかを本書を手に取った迷える描き手に教えてくれます。
自分の絵の描き方に疑問を抱いたら立ち止まって本書を開き、再確認して考えをまとめるという使い方も出来るでしょう。
いやしかし本の特性上女性の裸体ばかりで目のやり場に困るなあ(困ってない)。
※2019年10月14日、続編レビューを追加しました。