父の日も近いので麺類好きな父のためにはりま製麺から揖保乃糸冷やし中華用の中華麺【龍の夢】を購入しました。
白状しますが私この冷やし中華麺食べたことがありません。
なのに何故贈り物として買ってしまったのか。そこには揖保乃糸のように人の心を搦めとる深謀遠慮があったのです。
夏の思い出
揖保乃糸と言えば素麺の一大ブランドです。親父は夏場になると非常に食が細くなり「素麺なら食える」とリクエストを発するので自然と夏の我が家の食卓には素麺もしくは冷や麦が並ぶことになります。
うちはクーラーをあまり付けない家庭でしたので扇風機がぶんぶんと首を振る中氷で冷やした素麺を濃いめのつゆにつけてちゅるっとすする、この涼やかな食感がたまらなく好きでした。
うだるような暑さの中でも親父が素麺なら食えると言った理由も今なら分かります。
話が横道に逸れましたが揖保乃糸とは私にとって夏の記憶を呼び覚ます郷愁のフードなのです。
それがいくら同じ夏の食べ物ったって冷やし中華?と広告を見て思ったのですが気づいた時にはもうショッピングページのカートに入っていました。
希少価値に乗せられた
以前同じように父への贈り物として紫帯のひね物を購入したため定期的に揖保乃糸からDMが来るのですがその広告の煽り文句にまんまと引っかかった感はあります。
商品自体は去年からあったようですが「登場と同時に即完売、もう押すな押すなだよ」と言わんばかりの煽りに既に私の心に軽く針がかかっていました。
また、龍の夢という商品名もふるっていて何だか心がときめくものがあったのも確かです。
時期的なニーズに合っていた
もう夏も目の前です。個人的な感覚としては夏を乗り切るためにあえて熱い食べ物を食べる派なのでラーメン用の「龍の夢」にも目移りしたのですがこれから蒸し暑くなる季節に親父が熱いラーメンを好んで食べる絵がどうしても思い浮かばなかったので今回は見送りました。
アツアツの方はいずれ自分で試してみようと思います。
目先を変えてみようという気持ち
前述の通り去年はちょっと奮発して紫帯を贈りましたが自分の中で去年と同じというのはどうかな、という反骨心が芽生えました。
だからと言って自分で食ってもいないものを贈るのはどうなんだというのもごもっともで、ここは親の度量に甘えた点ではあります。
むしろ親父の性格を考えたら去年と同じものを贈っても普通に受け取って普通に「うまいよ」で済んだかも知れません。
素麺の美味さを信用していた
最終的に決め手になったのはここなんですが、いくら味は未知数でもあの揖保乃糸がそうそう間違いを起こさないだろうという信用がありました。だって素麺うめえし。
しかし冷静に考えたらいかに素麺作りのプロとは言え同じ麺類というだけでそこまで信頼を寄せていいのかという話もありますが広告では去年即完売って出してたしまあ大ハズレはしてないだろうと楽観視していたところはあります。
そして届く悪魔の小瓶
未知数の冷やし中華を発注してから数日、私宛に揖保乃糸から荷物が届きました。自宅に贈ったはずなのに?それに到着予定日より随分と早いぞと訝しみつつ受け取るとなんか箱が小さい。そこでようやく私はDMと一緒に入っていたキャンペーンの内容を思い出しました。
「今ならご購入の方にめんつゆプレゼント」
果たしてその小さな包みの中には一本の黒い小瓶が丁重に包まれていました。
これは予想外というか、私は勝手に贈り先に一緒に届けられるものだと思っていたので自分のところに届くというのは考えていませんでした。
しかし実家に贈ったのは冷やし中華でそちらはタレも付いているので仮に向こうに着いていたとしてもすぐには使い道がありません。どちらにせよ宙に浮いた状態になります。
「つまり、もっと食えってこと?」
でも今家に素麵のストックないしなあ、麺つゆをどうしようかと眺めているうちに
……美味そうなデザインだな
気づけば近所のスーパーで揖保乃糸(赤帯)を買っていました。
まとめ
はりま製麺の戦略はいろいろと参考になる点が多かったのですが
・レアもの感を出す
・天の時(売り時)をつかむ
・今までの信用にものをゆわす
・ちょっと足りないくらいの無料プレゼントを配布
こういうところを押さえるのが商売の秘訣なのかと思いました。