初期メン・イン・ブラック観てました、平八です。
今夜は「宇宙の不思議のためなら労苦を厭わねえタフガール」のSF物語「メン・イン・ブラック・インターナショナル」のレビューです。
公式サイト:
環境によってはいきなり予告編が始まりますので、ご注意下さい。
※本作は謎解き要素が含まれますので、肝心なところのネタバレはナシの方向で書きました。
クレバー女子の謎解きSFアクション
初代MIBを視聴した身としては「こっち見てバシャッ」もそうそう上手くいかないよなあと感慨深いです。
というかアレいつまで続けるの?
今回年端も行かない少女の記憶消去をしくじった挙句、長じてその子が企業訪問に来ちゃったんだけどもっと完全な記憶消去の方法考える必要があるんじゃ?
あの世界で何年経ってるかは知らないのですが、視聴者にとってはニューラライザーも「オーなつかしー」レベルの道具になってますよね。
変わりゆく時の流れの中で変わらないものを表現したかったのか、とも思いましたが第一作から22年経ったんですって。
私も年をとるはずです。
軽く老け込む私をよそに、本作はフレッシュな新コンビが繊細かつ横暴に暴れ回ります。
ヒロインのエージェントMが賢いから話が速いのはテンポよくて好感持てました。
そもそも宇宙の神秘に憧れて本来スカウト制のMIBに自分から売り込みに来たりグッドルッキングな男がいたらスッとついて行ってウソでも何でも並べ立ててコンビ組もうとしたり何か新世紀のクレバーヒロインだと思いました。
しかしあの圧迫面接のシーン、自分の適性を語るところはおそらく業務の性質から「居なくなっても社会から気にとめられない」人物像を類推してそうあろうと努力した結果に思えますね。
華奢な体からは想像もつかない強い目的意識に脅威すら感じます。
対するロンドン支部のエース・エージェントHはハンサムかつデキる男ではあるもののどこかチャランポランな空気の漂うイマイチ信頼の置けない雰囲気。
この二人の凸凹コンビがMIB界に新風を呼び起そうとするのです。
というか黒づくめのスーツに身を包んだタフな男達の物語、の相棒をひとり女性にするだけで作品の空気がだいぶ変わりましたね。
幼少期の出逢いと突然の再会のシーンもしっとりとした柔らかい空気が自然に出ていて、あの役割をMに回したのは良かったと思いました。
ほんのちょっとのめぐり逢いだったけどいい思い出だったんだろうなと。
あとこれは画面的な話ですけど砂漠をスーツ姿のふたりが彷徨うところが気に入りました。
違和感しかないけど、それがいい味わいになっていたというか。
夜の砂漠って寒いイメージありますけどあのスーツがエージェント仕様だからワイシャツ姿でも大丈夫だったんでしょうか。
4DX的見どころ
アクション的に「これは!」というわけではないんですけど車の制動がどんどんリアルになってきた気がする。
前からだったかな?とも思ったけど車がブレーキを「キキッ…」と効かせて停止するところとか、なんかすごい車っぽくなってきたと感じました。
誰かこだわりの職人がいるのかも知れない。
4DXは派手にガンガン揺れるアトラクション的な楽しみ方もありますけど、地味な日常的動作をさり気なく盛り込んでくると臨場感が出てきますね。
スクリーンの中にいるような感覚が欲しい時があるというか。
私ももうトシなのであんまりガコンガコン来るとしんどい時もあるので、海に揺られるシーンとか結構好きです。
今回一番爽快感があったのはどういう仕組みになってるかは知らない空飛ぶバイクのシーン。
ダイナミックな効果もそれはそれで良いもので、水面を割りながら疾走するホバーバイクのシーンは浮遊感と水しぶきがたまりませんでした。
最近あまり無いですけどレースを題材にした映画とかマッチするんじゃないかと思います。
あと、ちょっと今回エンドロールの最中に「ガタッ」と動いたので「とうとうエンドロールでも4DX効果が」と身構えたのですが、単にふたつ隣の席の人が席を立っただけでした。
椅子が連動してるから割と振動伝わって来るんですね、これ。
視聴中「ちょっとオシッコ…」と思った時もイスの乗降はゆっくり行う方が他の観客とのトラブルを避けられるでしょう。
宇宙人要素薄いなーと思わせてドカン
本作も昔からいる宇宙人とかニューカマーエイリアンとか出て来ますけど、何というか「オフィスに巻き起こる新風のドタバタ活劇、気になる先輩との恋のゆくえは?」的な方向にウェイトが置かれているように思えてたんですね。
ストレートに言えば宇宙人要素がちょっと食い足りないかな、と。
エレベーターを抜けたらそこは異世界オフィスだった、とかそれこそ第一作からやってるわけですし。
しかしまあ、それは22年も前の第一作を観た私視点の感覚であって、これが初MIBの方にとっては新鮮に映るのかもな、ただ単に私がスレてしまっただけなんだろうなと少しばかりの寂しさを上映中に感じていました。
そうしたらドカンと一発なんか世界観が違うのが来てビックリした。
心の中で「う、宇宙人でおま!!」て叫んだ。
いやそりゃ元々そういう映画だろ、と思われた方もあのシーンを観れば分かって頂けると思う。
それくらい宇宙人つかエイリアン。
急に出て来んなやって思わず毒づいた。
四つ目がある奴とかパグ犬型エイリアンとかちょっと可愛めの奴に目が馴れてたからあそこでちびる人いると思う。
あとポーニーは劇中ではそんなに可愛いとは思わなかったんですけどパンフレット読むと結構ディティールが凝ってて可愛いなと思いました。
女王を守る兵士のたったひとりの生き残り、という悲劇的な身の上は気の毒でしたが第二の人生はうまくやって行けそうで安心です。
エンドロールめっちゃ長かった。
正直に言うけどエンドロール最後まで観るのしんどかった。
まあ裏返せばそれだけ多くの人が本作に関わっていた、ということの熱量のあらわれとも言えるのですが。
パンフレット読むと細かい設定や熱の入りように軽く引きましたね。
過去三作のあゆみや本作の隠し設定なども記載されており、知っているとしばらく「MIB通」としてデカいツラが出来そうなので気になる方はご一読を。
アレの長さってそんなに重要かなあ、と首をひねるようなところにこだわってました。
それと、この前「アベンジャーズ エンドゲーム」観たばっかりなのにエージェントHがソーだったことにパンフレット読んで気づきました。
ヒゲがないと十歳は若返るから気づかなくて…と言い訳をさせて頂きます。
ちなみにエージェントMも「マイティ・ソー バトルロイヤル」に出演していたとのことでソーつながり共演再び、だったそうです。
まとめ
ついにエイリアン外務官にも女性進出の波が。
こういうこと言うとエージェントOにどやされるんだろうな。
今回のエピソードは新コンビのプロローグというかエージェントとして一皮剥けたHとMの次の事件が気になりますね。