アニメ版トランスフォーマー世代、平八です。
今夜は超可愛い機械生命体大活劇「バンブルビー」のレビューです。
公式サイト:
映画「バンブルビー(2018)」のファンが作ったこのウェブサイトでは、映画の詳細な分析、キャラクターの深い洞察、そして映…
※本記事はネタバレを含みますので、未見の方はご注意下さい。
孤独な魂のふれ合いを古き良きアメリカンに乗せて
〈あらすじ〉
遥か遠い星で勃発した機械生命体同士の大戦争。
オプティマス・プライム率いるオートボットはディセプティコンの猛攻に一時撤退を余儀なくされ、銀河へ散り散りになっていく。
地球を拠点として軍の立て直しを行うことを命じられたビーはからくも地球への追っ手を撃退するが、自らも傷つき眠りにつく。
時は流れ、家族と折り合いがつかない少女チャーリーは誕生日に偶然見つけた黄色いビートルに心を惹かれ…
トランスフォーマーはリベンジまでは観たんですけど敵がガァーッと攻めて来て戦車がグワーァン!!トランスフォーム!!(ガガガガ)ズババァーン!!車がチュドーン!!もうよく分かんないけど景気よく爆発しろ!!が醍醐味のシリーズだと思うんですね。
今回も初っ端から宇宙戦争入れたりバンブルビーのたったひとりの防衛戦とか大立ち回りの見どころはあります。
でも今回印象的なのはひとりぼっちの女の子と記憶も声も失くしたバンブルビーの心の交流と成長の描写でしたね。
この物語で一番切なかったのはチャーリーのお母さんもロン(母親の愛人)も決して悪人ではなかった点です。
弟のカラテボーイはちょっとイキってましたけど、アレはまあ若さゆえということで。
ともあれ、チャーリーが新しい絆に馴染めないのは彼女の亡父への思慕の情が強すぎて心に壁を作っていたことも原因のひとつだと感じました。
世界が彼女を拒絶していたわけではなかったのです。
誕生日に花柄のメットはちょっとどうかと思いましたが。
そこで巡り会ったのが遠い星からやって来た戦う超ロボット生命体バンブルビー。
彼はかつての戦争では撤退を指示するオプティマス・プライムに食ってかかるほどの武闘派でしたが地球降下後の戦闘が元で記憶を失い生まれたてのわんこのように可愛くなってしまいます。
というか家族に黙って家に迎え入れたり、チャーリーが捨て犬を飼おうとする子供みたいだった。
家族に不審がられながらもバンブルビーに地球で生きていく術を教えるチャーリー。
その過程は辛抱強く、時に感情を爆発させながらもバンブルビーを優しく導きます。
で、結局この時に養われた「他者への想像力」がチャーリーを家族の元へ帰した原動力になったと思うんですよね。
みんなそれぞれ事情があるし、それぞれの考えで生きている。
言葉が喋れない(途中からカーラジオで喋ってましたけど)バンブルビーとの交流が彼女の視野を広げ、成長させたのです。
バンブルビーとの別れのシーンで「別について行ってもいいんじゃない?」とちょろっと思いましたけど(1はバンブルビーが人間の間で生きることを選んだし)バンブルビーの使命を知り、自分の殻を破れた少女は大人になって自分の生活へ戻っていくというとても爽やかな別れのシーンに仕上がっていました。
BGMもいい味出してましたね。
洋楽に詳しくないのでどういう曲なのか分からなかったのが残念です。
楽曲をふんだんに使ってたけど「Take on me」くらいしか分からなかった。
後日、首尾よくオプティマスと合流できたバンブルビーが「私のことは"バンブルビー"と」と語りかけるところでチャーリーの音声を使っていたのが彼にとっても忘れがたい友情になったのだと感じられて心温まる思いでした。

4DXのアトラクションっぷりに酔いしれろ
アクションものなので4DX効果には期待して劇場に行きましたが期待通り楽しめましたね。
個人的にはカーチェイスのところを一番期待してたんですけど、意外と今回気に入ったのは森の中でチャーリーとバンブルビーが連れ立って歩くシーンで「ふわっと」いい香りがしたところです。
あれで「あ、今森の中にいる」とイメージがわきましたので。
嗅覚にも訴えかけられるというのは面白いところだと思います。
何か「深夜食堂4DX」みたいに食をテーマにした作品を扱うのも楽しそうですね。
2時間ずっと酒の肴の美味そうな匂いが劇場に立ちこめてるの。
それはそれとして、アクションシーンで遠慮なく揺れたり煙が噴き出るのはテンション上がりました。
それこそカーチェイスのシーンは臨場感が高まるし、バンブルビーが崖から転げ落ちるところは背中に振動を感じながら「ヒェッ」となりました。
ところで私も勘違いしてましたけど、身長100センチ以下の子供は無理なだけで大人同伴なら120センチ以下の子供でも入れます。
今まで4DXの会場で子供をあまり見なかったので子供はダメなんだ、と思い込んでました。
4DXを観ることが出来ないのは
・妊娠中の方
・年配の方
・心臓、首などに障がいのある方
・体調不良の方
・身体、精神的に敏感な方
が挙げられます。
実際エグいくらいに揺れる場面もあるので、それこそ乗り物酔いをしやすい方はご注意が必要です。
アクション映画なんかは遊園地のアトラクションが2時間続くようなものですからね。
シートベルトないから何度もずり落ちそうになるし。
しかし、乗り物などに耐性があればこれほど楽しめる視聴形態もなかなかないと思います。
私が観に行った劇場の話ですが、終了後のトイレの手洗い場で子供達が手に浸した水を跳ねながら「ほらっ4DX」とふざけてるところに出くわしました。
あー、自分が子供の頃にあったら同じことやってるなと思いながら。
条件はあるけど子供にこそ楽しんでほしい方式ですね。
あと、私が観に行った劇場の方式は「4DX3D」でもはや何が何だか分からなくなって来たのですけど、単なる飛び出す画像にとどまらない描写が刺激的でした。
ミサイルが手前から奥に飛んで行くところとかすごい臨場感あるの。
これって3D前提で作られた絵なんだろうなと思いながら観てました。
分かる、分かるぞメモ
結局あまり役には立たなかったかも知れませんけどおとなりのメモ君結構好きです。
気弱なオタクっぽくて何か親近感湧くというか気になる女子への接し方が甘酸っぱくていい。
ああいうちょっと頼りないけどいざとなったら男気を見せるキャラはいいですね。
メモ君も最初のうちは余裕のないチャーリーにつっけんどんにされてましたけどバンブルビーという共通の秘密を手に入れてからはアメリカンナンバーに乗せて青春を謳歌するなどいいシーンもありました。
しかしチャーリーを煽ってきた女子にリベンジ、と持ちかけた時はその場でギャフンと言わせる秘策があるのかと見せかけてまさかの闇討ち。
しかも結構陰湿なことをノリノリでやってて「大丈夫かこれ」と思わせる一面もありました。
しかしなんやかやあってこれからに期待が持てそうなラストに繋がったのは良かったです。
余談ですが、最初はチャーリーがレモネードぶっかけた陽キャラがパートナーになるのかなと思ってました。
でも崖への飛び込みで妙に煽って以降出て来なかったので「何だったんだあいつは」と謎の残る男です。
叙情たっぷりの前日譚
バトルで言えば、バンブルビーが怒りに身を任せて米軍を撃ちまくるところとか追っ手のディセプティコン相手に組み技とか色々仕掛けて戦うところが盛り上がりましたね。
しかし本作のキモはやはりチャーリーとバンブルビーの心の交流であったと思うのです。
そしてここからトランスフォーマーの第一作に繋がると思うと彼らも単なるエイリアンではなく人間のような情緒を備えた生命体なのだと思わされます。
去年のコミコンでセレモニーを見てから興味を持ってましたが、満足のいく作品でした。
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